第二幕 スケルツォ
「医者に診せるべきなのでしょうか・・・・。」
ん・・・・?
「いったいどうすればいいものか・・・・。」
だれ・・・・?
「本当に困りましたねぇ・・・・。」
ああ、このこえは・・・・
「ロゼ・ロードンともあろうものが失敗するなんて・・・・。」
ロゼ・ローソン・・・・じゃなくて、ロゼ・ロードンだ・・・。たしか、『花園』っていう乙女ゲームの攻略対象者で常に仮面をつけてる舞台狂いの
「変人!!!!!」
思い出したー!!!!!!なんで忘れてたんだろ、私・・・。そうだよ!!ロゼ・ロードンは乙女ゲームの攻略対象者だ!!!
「ソレル!!!目覚めたのですね!!!よかった!!・・・ですが、目覚めた瞬間に変人とは・・・私のことですか!?」
で、私は・・・・ソレル・スイバ・タデ・・・。ソレル・・・?
「なんと失礼な!!・・・と、言いたいところですが・・・夢の中でも私のことを考えてくれていたとは・・・!!!私、感動です!!!」
・・・・ライバル役じゃん!!!しかも、三大貴族のライバル役ってことは・・・・ハッピーエンド以外攻略対象者に殺されるじゃん!!!え?私、ノアに殺されるの!?
「なにか欲しいものはありますか?ソレルのためでしたらどんなものも幻から現実に変えてみせましょう!!」
マジかよ!!!
「死にたくないんだけど!?」
さぁ、どうする?
「死にたく、ない・・・・?」
・・・・そうだ!!わかった!!バッドもノーマルも死ぬなら、ハッピーエンドにすればいいじゃない!!よし、ヒロイン!!待ってろよ!!必ずお前とコイツをくっつけてやる!!!
「そう、ですか。」
うん、シラユリちゃんとくっつけてやるよ!!
「ところでノア、ヒロ・・・じゃなくて、シラユリって子知らない?」
「シラユリ?ああ、あのユリの国の姫君ですね!!」
「知り合い?」
「ええ、知り合いですとも!!これでも私、ロゼ・ロードンですから!!」
「へぇー。」
「と、いってもそこまで語り合ったことはありませんが!!あの姫君と仲が良いのはどちらかというと、我ら三大貴族ではなく、影の三大貴族では?」
「・・・・ファンネル、アジサイ、クササンゴ?」
「ええ!!まぁ、実際にこの国を回しているのはあの三人ですからね!!我ら三大貴族は華やかではありますが、芸術面以外では全くの無能で、自らの領地の経営すらもほとんど放棄していますし!!」
無能というよりは、一切の興味がないっていう感じのような気がするけどね。実際に三人とも頭いいし、ロゼは運動神経も抜群だし。・・・・結構な確率で他の二人と同じように体育の授業は見学してるけど。
「ふーん、で?」
「で?とは?」
「シラユリちゃんに魅力感じた?」
「は?」
やべっ、唐突すぎたか。
「ごめん、なんでもない。」
「そうですか!!では、私、シャワータイムと洒落込みたいと思います・・・!!」
「え、食事前に入ってたじゃん。」
「冷や汗をたくさんかきましたので!!」
「・・・・ああ。」
「さきほどは本当に申し訳ありませんでした・・・・!!本当は猫を出すはずだったのですが・・・手元が狂ってしまって・・・!」
手元って・・・あれを作り出したのはノアの頭だろ。まぁ、でも悪気はなかっただろうし。
「貴女は虎が大の苦手だとわかりきっていたはずですのに・・・!!!人生最大の不覚!!」
「それはもういいよ。で、シャワーはいいの?」
「ああ・・・!!すみません!それでは!!」
そういうと、ノアは風呂場の方へと消えて行った。
・・・・どうでもいいが、ノアはお風呂に入っているときも仮面をつけている。むかし、こっそりお風呂のぞいたらそうだった。ちなみにすぐバレた。
「はぁ・・・・。」
とりあえず、ノアとシラユリちゃんをらっぶらぶのイッチャイチャにする方法を考えなきゃ。
奇跡的なまでに会話がかみ合っているようで全く嚙み合っていない二人の会話・・・・。




