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キャー!!ヤバい奴がいるのでどうにかして欲しい件  作者: 君影想


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序幕

『花園』新シリーズです。どうぞよろしくお願いいたします。

「ごきげんよう!ソレル嬢!!」


 はぁ・・・。


「そのソレル嬢っていうのやめてくれないかな?」

「ではどうお呼びすれば?マドモワゼル?Ms.ソレル?蓚の君?」

「普通にいつも通りソレルでいいよ。」

「まぁっ!冷たい!!」


 というか、なぜソレル嬢などといいだしたのか。あ、ソレルっていうのは私の名前ね。ソレル・スイバ・タデがフルネーム。


「なんでいきなり呼び方を変えようとした。」


 ついに頭がおかしくなったか?・・・いや、もともと可笑しいか。


「おやぁ?忘れてしまったのですか?今日は私と貴方が出会った記念日、そして貴方の誕生日でもあるんですよ!!」


 よく覚えてんな。というか、記念日だからといってなぜ呼び方を変える。・・・まぁ、コイツだから仕方ないか。


「私の誕生日だってのは流石に覚えてたけど、お前と出会った日だってのは忘れてたわ。」

「なんと!!貴女の成績が酷いわけがわかった気がします・・・!!」


 ふんっ!!あ、ちなみにコイツの本名は・・・


「ロゼさまぁっ!!あなたのようなお方と私のような下賤の者を比べられても困りますわぁっ!!」


 ロゼ・ロードン


「貴女だけにはその名で呼ばれたくないと言っているでしょう・・・!!それに、貴女の成績は私と比べなくても酷いと知っていますよ!」


 ではなく、


「ノア・・・・!!!お前なぜ私の成績を知っている・・・!!」

「さぁ?なぜでしょうか?」


 ノアールロ―ズ・ロードンである。


「貴女が二度と人前以外でロゼと呼ばないと誓わない限りそれは教えられませんよ・・・・!!」


 多くの人は知らないが、ロゼという名は襲名制であり、有名なロゼ・ロードンという名はコイツの本名ではない。


「よし誓った。」

「机の上に普通に散らばっていましたよ・・・・!」

「嘘だろ。」

「私が嘘をつくとでもお思いで?」

「めっちゃつくじゃん。」

 

 能力自体が嘘つきのためにあるような能力じゃん。


「・・・・否定はしませんが、こんなくだらないところで嘘はつきませんよ!」

「まぁ、それはそうかも・・・・?」


 こういうところで嘘はつかないよね。・・・・・たぶん。


「それではそれでは・・・!!今日は記念日なので、プレゼントです♪」


 ノアがくるりと回した手の中から十一輪の赤薔薇が出てきた。・・・・またか。コイツは毎月、私に六本の薔薇を渡す。誕生日には、増えて十一輪になるのだ。今日みたいに。


「勿論これだけはありませんよ・・・!!首元をご覧ください・・・!!」


 ・・・・あ、いつの間にかネックレスが付いてる。・・・薔薇モチーフだ。


「さぁ、見ていてくださいね♪」


 ノアは机の近くまで歩いていくと、どこからか出したかなり大き目なハンカチを机にふわっと被せた。


「さぁ、ディナーにいたしましょう!!」


 ハンカチをノアが外した瞬間、なにもなかったはずの机にほかほかと湯気をたてたホテルででも出てきそうな食事が並んでいた。


「・・・幻?」

「違いますよ!!」


 どうだか。

 ちなみにノアの能力は『草』属性の『夢を現に現を夢に』という幻覚系の能力である。この能力は「欺く」ことが大切で、完璧に欺ければそれは触ろうが食べようが本物と変わりのないものになる。ただし、欺けなかった場合は見かけだけの張りぼてになる。それはノア自身も含まれて、自分を全力で欺かなければならない。例えば、ノアは羽を幻覚として自らの背中に生やすことも可能だが、それで飛べるかどうかはノアが自分自身を欺けるかどうかにかかっている、といわけだ。わかりにくいか。とりあえず、薔薇の香りがしたら大体幻なのを疑った方がいい。といっても普段からノアは薔薇の香水をつけてるからすごくややこしいけど。あ、私の能力は『火の竜』で、属性は『火』ね。まぁ、火っていっても見た目だけだし、竜っていってもかなり小さいし、触っても熱くないんだよね。私の能力は普通のものを燃やすことはできないけど、幻を喰うことはできる。・・・・ノアがこの花園学園の寮で私と同じ部屋にされているわけはこういうことだ。ノアと私は幼馴染っていうのと、腕力が同じくらいっていうのもデカいけど。

 

「竜に喰わせていい?」

「だから本物ですよ!!」

「お腹減ってるんだとさ。」

「あの竜に意思なんてないでしょう!!というか、そんなに疑うのでしたら試してみればいいのですよ!!」

「やっぱやめた。」


 面倒だわ。


「では、御手を。マドモワゼル。」


 うえっ。


「気持ち悪い。」

「私は紳士ですからね・・・!レディをエスコートするのは当然ですよ・・・!たとえ相手の知能レベルがサル並みでもね・・・・!」

「私のことを言ってんのかオラ。」


 というか、普通紳士はそんなこと言わないから。


「おほほほほっ・・・・!!誰もそんなことは言っていませんよ・・・・!自意識過剰なのでは?」

「殴るぞ。」


 どう考えても私のこといってただろ。


「それでは、

「「いただきます。」」


 なんやかんや言いながらも、私はノアにエスコートされて食卓へとつきディナーを食べ始めたのだった。



 * * * *



「ごちそうさまでした。」


 いやー、美味しかった。


「レディース&ジェントルマン!!さぁさぁ、お次は!!マジックショーの始まりですよ!!」


 私より早めに食事を終えていたノアがまた変なことを始めた。


「それではそれでは!!まず最初に!!・・・・・さぁ!!選んでください!!」


 そういって差し出されるのは沢山のトランプ。


「おっと、取ってはいけません!!心の中でどれがいいか決めるのです!!」


 ・・・へいへい。うーん、黒のジョーカーかな。


「決めましたか?」

「うん。」

「そうですか、では!!」


 なんだよ。


「スリー・トゥー・ワン!!・・・・では、貴女の手の中をご覧ください!!」


 え?


「あ。」


 いつのまにか、右手に黒のジョーカーが入っていた。


「えっ?」


 ノアが持っているトランプを再度確認してみる。


「ないっ!?」


 黒のジョーカーが消えてる!!一体どうやったんだ!?瞬間移動ちっくなのは能力を使ったと考えればまだわかるが、私の心を読むのは能力を使ったとしても不可能なはずだ。


「うふふっ・・・おほほほほほっ・・・・・!!!!」

「というかなんで心読めたの?」

「貴女のことであればなんでもわかりますよ!!」


 変態だ。


「さぁさぁ、お次は!!」


 そういうと、ノアは真っ白なシルクハットを頭から外し、ハンカチでシルクハットを覆い隠してしまった。


「おおっ・・・・!!おおっ・・・・!!元気な子ですね・・・!!」


 そういいながら、わざとらしくハンカチを揺らす。


「と、おっーと!!」


 ハンカチがはずされ、帽子の中が晒された。

 どうせ、は・・・とら!!?


「おや、間違えてしまいまし・・・・ソレル!?」


 わ、私、虎は・・・・


「大っ嫌い・・・・!!!」


 本当に!!!というか、なぜあのサイズの帽子から虎が出てくるんだ!!!


「えっ!?あっ!!虎っ!!?」


 ノアの珍しく動揺した声を聞きながら、私は意識を失った。






『病院が来い!!隣の奴が病んでいるので今すぐ治療してやって欲しい件』の登場人物紹介、投稿いたしました。

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