久保さんが休むと❷
※第92話の続き
昼休みになると久保さんからメールが来た。
【和泉ちゃんとお昼食べてあげて】
なんか、珍しいな。こんなメールしてくるの。ま、僕も和泉さんとの仲が深まるからいっか。
「和泉さん」
「森川くん……」
「久保さんからメール来てさ、和泉さんとお昼を食べて欲しいって。あ、椅子持ってくるね」
「うん」
椅子を持ってくると、和泉さんは話し始める。
「ねぇ森川くん。クーちゃんは家ではどんな感じなの?」
メガネが同じだから、思わず久保さんだと思ってしまう。
「僕、親じゃないんだけど」
「でも、森川くんをクーちゃんのお家によく行ってるらしいじゃん」
「うん。そうだね、結構適当な格好してるよ。平日こそまともだけど、休日に遊びに行く時はショートパンツとか、黒が似合うからさオブリークネックとか……」
思わず口を塞ぐ。
服に詳しくて、変に思われそう。
「へぇー。クーちゃんって適当なんだ」
「う、うん」
まぁ、和泉さんに限って表には出さないか。おっと。久保さんのお友達に失礼だな。
話題を変えないと。
「久保さんからも、和泉さんの話聞くけど、ご両親が先生らしいね。和泉さんも先生になるの?」
和泉さんは成績が優秀だからなんとなく予想はつく。
「うん。なりたい。大変だけどやりがいはあるってよく言われてるから。数学と理科の先生になりたい。両方の教員免許取って、教鞭をとるの」
「そっか。あ、理科はどれ?化学?生物?」
「化学」
「そっか」
大丈夫かな。理科の先生になって変人みたいにならないかな。
「そう言えば、森川くんはクーちゃんと遊びに行くって言ってたけど、どこに行くの?」
「当日告知」
「え。そうなの。私の時は数日前には決めるんだけど」
僕と和泉さんの差……
開きすぎでしょ。
どうりで週末の前には2人が話してたわけだ。久保さん。僕の時も改善して欲しいかな。
「和泉さんも大変でしょ。久保さん、よく振り回すし」
「いや。『和泉ちゃん、どこ行きたい?』って聞いてくるよ」
「えー?僕には、一切聞かないのに?というか、行きたいとこのない僕も悪いのかもしれないけどさ……」
「森川くんは付いてきてるだけ偉いと思うけど……」
「そうだよね。なのに、久保さんはアイスを食べたいからって僕に荷物持ちをさせて……なんか、泣けてきた」
「メガネ拭きしかないけど、これで吹いて」
「いや、いいや。涙が乾いてきた」
ご飯を食べ終わって閑話休題。
「でも、それってクーちゃんが雑に扱うくらいは仲良しってことじゃない?」
「そうなのかな?」
仲良しねぇ……
『拓くん。これ持って。アイス食べたい』
『拓くん。アイス食べて手が疲れちゃったからまた持ってて』
ダメだ。全然分かんない。
「和泉さん。僕には久保さんの仲良しサインがわかんないよ」




