↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
87/117

【番外】新しい誕生

「久保さん。お昼一緒に食べるんでしょ?寝るのは授業だけにしてよー」

 また2人が話している。

「んー、拓くん。あと5分……」

「それ起きないやつだよね?あ、最近僕が起こしに行ってないじゃん。それだけでも偉いよ」

「んー、やったー」

 褒められて彼女は気丈になる。

「…………」

 なんで僕は1人なんだろう。

 そう思うと同時に、腹正しくなった。どうして、僕と同族みたいな森川くんが彼女と仲良くできているのか。

 久保さんは美人な人で、表情もよく動く活発な女の子。

 でも、森川くんは表情が動きにくくて、これと言って特徴のない男子。


 翌日――

 委員会が一緒だから、その時に聞いてみることにした。

「も、森川くん……」

「ん?どうしたの?」

 いつもの真顔なのかよく分からない表情で彼は言う。

「……嫌な意味じゃないけど、どうして久保さんと仲がいいの?」

「…………そうだね」

 少し考えながら彼は言う。

「偶然が重なっただけかな。中学生の頃は距離が遠かったから……久保さんが僕を引き止めなかったら多分、いや、考えるのも野暮だね」

 中盤くらいは独り言だった。

「…………」

 すると、森川くんのスマホが鳴る。彼は迷わずに電話を取る。

「どうしたの?久保さん」

 わずかに声が聞こえる。

『拓くん?委員会終わった?ねぇねぇ』

「終わったら電話に出ないでしょ?」

『だよねー。下駄箱で待ってるからダッシュで来て』

「また待ってるの?」

 “また”って……もしかして、何回もこんなのがあるの?

「分かった。じゃ、急げる時に急ぐね。え、いや、急ぐって。うん。じゃ、あと数分後ね」

 そう言って森川くんは電話を切った。

「ごめん。反射的に電話に出ちゃった。他に聞きたいことはある?」

 今、山ほど出てきた。

 でも、こらえておいた。

「いや……ない」

「分かった。じゃあ、委員会の報告は僕がやるから」

 そう言って彼は、大股で出て行った。

「…………」

 どうして森川なんかが、久保さんと一緒にいるんだろう。“偶然が重なった結果”か。

 なら……重ならなきゃいいのに。

 どうして、僕に似たような森川が久保さんと……あんな可愛い子と仲良くできるのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。