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野良ネコ

 久保さんと一緒に登校していると、一匹の三毛ネコを見つけた。

「わ、かわいいー」

 人に慣れているのか、近づいても逃げずにゴロ寝を決め込んでいる。久保さんはしゃがんでネコの頭を撫でる。

「よしよし。よしよし」

 ニマニマと嬉しそうな顔をしてネコを撫でている。

「久保さんって、ネコ好きだっけ」

 彼女の視線は、僕ではなくネコに釘付けだ。

「うん、好きだね。あと、このネコ卓くんに似てない?」

「えー、そう?」

 急にそう言われても……

「なんか、この、グテーってしてるところ」

「僕、休みの日はそんなゴロゴロしてないけどね」

「そういうんじゃないよ。なんかこの。目をつぶってる顔がなんとなく、卓くんに見えるの」

「うそー」

 ネコの顔を覗き込み、じっと見る。

 うーん。見えないな。

 すると、ネコは急に起き上がってピューッと逃げてしまった。

「あー……」

「卓くんのせいだ。卓くんのせいだ」

 わーわーとはやし立てる久保さん。チャンガチャンガ。僕は何も言えなくなった。

「ほら、遅刻するよ」

 そう言って、しゃがんでいる久保さんの腕を引いて立ち上がらせる。

「また会ったらね」

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