突っ込みスキル
「ねぇ、拓くん。ここの式がわからない……」
「え?そこ?まずね、Xを代入して」
「代入?牛のやつね」
「それは牛乳」
「大豆でできてるやつでしょ?」
「それは豆乳……なにこれ」
久保さんは笑いながらいう。
「いや。ごめん。作品的に拓くんはツッコミ役だから」
「何の話?」
「え?」
「え?」
間を開けて久保さんは咳払いをする。
「とにかくね。拓くんは物知りだから、ツッコミ役が合ってると思うの」
「まぁ、そうだね」
「てなわけで、色々私がボケて突っ込ませようってね」
僕はため息をつく。
「突っ込む方も難しいんだよ。ただでさえ頭悪い作者が韻を踏むツッコミを作る必要あるから」
「え?」
「ん?」
久保さんはまた少し間をあける。
「とにかく、またやってみようよ」
「なんかショートコントみたいになってる」
筆箱から久保さんはペンを出して僕の机に置く。
「拓くん。そのペン取って」
「はいはい。これね」
ペンを取って久保さんに差し出す。
「はい。ペン」
「ペン?イースト菌で作るやつ?」
「それはパン」
「マップアプリである赤いやつ?」
「それはピン」
「ペンギンのアニメ?かわいいよね」
「それはピング○……韻踏んでないじゃん」
僕は久保さんの机にペンを置く。
「じゃ、あと一回だけ」
「はいはい」
久保さんはお腹をさすってお腹が減ったようなジェスチャーをする。
「拓くん。私、お腹減っちゃったー。お寿司食べたい」
「お寿司?」
「そうそう。チョコとかクッキーとか」
「それはお菓子」
「食べ物を掴むもの?」
「それはお箸」
「正月に餅米で作るやつ」
「それはお餅。答え言ってるじゃん」
「あ、お寿司食べたいのは本当」




