拓くんの部屋
男の子の部屋に入るのって初めてな気がする。
いつも、私の家でゲームをするか私の部屋でダラダラするかの2択だった。
でも、私の「拓くんの部屋を見てみたい」で私は今、少しドキドキしている。
拓くんって、全然部屋とか入れないし、拓くんのお家に入れてもリビングしか入ったことない。
だから、少し怖さがある。
「久保さん。入ってー」
「うん……」
のそのそ部屋に入ると、私の家とは違う匂いがした。
「わー……んー?」
勉強机に、ベッド。その上にぬいぐるみ。あと、階段状に棚のような木材がくっつけられている、そこには……
「あれって仮○ライダーのやつ?よく分からないけど」
「え、うん。変身ベルト。2つしか見てないけどさ、全部カッコいんだよね」
「少年だ……あれ、でも2作品ならベルトは二つじゃないの?」
拓くんの部屋にある変身ベルトは五つある。
蛍光緑でレバーが蛍光色のピンク色のベルト。
紫色で2つのボタンっぽいのがあるベルト。
それをミントみたいな色にしたもの。
黒いベルト、それの濃い赤色バージョン。
「あぁ、作品が同じでもベルトが違う時があるの。ほら、味方と敵で装備が違う的な……」
「あー、そういうこと」
分かりやすくて、何度も頷いた。
「……どうかな?僕の部屋」
「んー……拓くんみたいに無機質」
「それ褒めてるの?」
「ううん。なんか、拓くんみたい。無機質に見えるけど、出すとこは出すみたいな」
「……出すとこは出すか」
その言葉を拓くんは「ふーん」と言いながら頷いている。
「ま、僕の部屋はこんな感じだけど……」
「なんか無いの?私に見せたくないもの」
「え、この子は何を言い出すの?」
拓くんは部屋を見渡す。
「んー……特にないね」
薄い本があると期待してたのに。いや、最近はネットがあるからそれか。
「ないかー……」
少しがっかりして拓くんのベッドに腰を下ろす。
私のベッドよりマットレスが硬かった。
「それなら、お菓子があるけど……」
「お、食べる」
「はいはい。ちょっと待っててね。探してくるから」




