夏の服装
「ねぇ、久保さん」
今日は、久保さんと遊びに来ている。
「ん?」
「TPOってのを考えて……欲しいかな」
「え?」
今日の久保さん。というか、ずっとだけど、暑くなればるほど、露出度が増している。
まぁ、僕を気兼ねなくオシャレを楽しめる相手にしてくれてるのはいいけど。
でも、今日は大きめのシャツに、下は履いてないんじゃないかと思うくらいのショートパンツ。
「いくらなんでも、なんか寝巻きに見える」
「寝巻き?服がいいからそうは見えなくない?」
「まぁね……」
でも、道ゆく人たちがジロジロみてるのがちょっとやだ。
「それに、人目を気にしたらオシャレなんてできないでしょ?」
「確かに……!」
妙に確信めいたこと言うな。
「あ、今度はメガネかけよっかな」
「僕の何かが壊れちゃうから、辞めた方がいいよ」
メガネっ子が大胆な服装をしてたら、なんか男としてクるものがある。
「あ、拓くん。ドーナツ屋さんだ。食べよ」
「はいはい」
ドーナツ屋さんに入ると、久保さんは僕が持ったトレーにポンデリングをトングで取って乗せる。しかも2つ。
僕もそれを見習って、オールドファッションとココナッツのドーナツを取る。
「ミルクティーお願いしまーす」
レジで久保さんは注文していた。
ミルクティーもドーナツも買って僕たちは2人用の向かい合わせに座る。
僕がトレーを置いた瞬間に、泥棒のような速さでポンデリングを取る。
「ふー、おいしい。やっぱり砂糖がないと生きてけない」
「カフェインじゃないんだから」
「……ねぇ、拓くん」
「ん?」
「拓くんは細い足か……逆ならどっちがいい?」
「え?なに、急に」
「いやー、私がこんな格好だからどうかなーって」
「若葉さんのせいで見慣れてるよ」
「んー……そっか」
久保さんのこの格好より、ごくたまに見る若葉さんの格好がすごかったけど。
「あ。なんか、脇とか肩が見えるのは辞めてね」
「え、なんでよ」
「考えてた顔だね」
僕もココナッツドーナツを取って食べる。
「でも、意外とこの格好は便利だよ。自由に動けるし足も涼しいし」
「日焼け止めは塗ってるんだよね?」
「もちろん」
「なら良かったけど」
ドーナツを食べ終わって一息つく。
久保さんはミルクティーを飲んでいる。
なんか、こう言う瞬間が……
「拓くん。次はどこ行こっか」
「え、帰る空気じゃないの?」




