ジメジメ
「うー……ジメジメ〜」
久保さんの家でダラダラしていると、彼女が愚痴をこぼした。
「急にムシムシしてきたよね」
そうだった。久保さんは寒がりの他に、暑がりも持ってたんだ。
なんというか、天気に弱いな久保さんは。
再び彼女を見ると、久保さんはYシャツのボタンを外していた。
「ちょっと待って」
「え?」
「いや、『え?』じゃなくて……」
一応、下には体操服を着てるから安心だけど……ちょっと体のラインが目立つ。いや、小さいから問題ないけど。
「久保さん……僕をなんだと思ってるの?」
「ヲ友達」
「そ」
なんだろう。僕を異性として見てないのかな。まぁ、それでも良いけど。
「でもね、少しは自衛しようよ……僕もいることだし」
「拓くんなら心配なくない?」
いやいや。僕だって健全な男子高校生であって……うーん。やめておこう。
僕の気も知らず、久保さんはYシャツを脱いで上半身は体操服だけになる。
「拓くんは……」
「ん?」
「エアコンを付けるか汗だくか……どっちがいい?」
「……どっちの意味?」
「………………温度の問題」
「じゃ、エアコン」
「うぃー」
危ない……久保さん、たまにこう言うことするんだから。
「あー、涼しー」
ソファにデカデカと座る久保さん。気にしてなさそうで良かった。
「でも、ちょっと寒い」
「言わんこっちゃない」
僕は久保さんの脱いだYシャツを彼女の肩にかける。
「ほら、着て」
「えー。汗で濡れてて冷たい」
「じゃ、代わりに何か着て。着替えて良いから」
「やだ。このままがいい」
肩を振ってシャツをずらして来る。それを治すを繰り返す。
「久保さん。お腹壊しやすいんだから着て」
「やだ」
「あと、風邪引きやすいでしょ?僕が1人になっちゃう」
「心配しなくて良いから」
その時だった。ガチャリとリビングのドアが開く。
「歩果。授業公開だが……」
タイミングが悪かった。若葉さんが入ってきた時は、久保さんが肩を振ってシャツがずれた時だった。
「…………」
無言で若葉さんはドアを閉めた。
「ちょ……お姉ちゃん」
久保さんは、シャツを肩にかけてリビングを出る。
耳を澄ますと、2人の話し声が聞こえる。
「お姉ちゃん。さっきのは違うからね」
「ほぅ。拓が歩果の服を脱がそうとした事実は合っていないと?」
若葉さんがハイテンションで助かった。
「合ってないというか……私が服を着ないから拓くんが着せただけで……」
「服を着ないから着せた?つまり、逆ということか。脱がせた後で……」
「お姉ちゃん‼︎」




