体育の飲み物
体育の授業が終わって、僕たちは体育館から出るために歩を進める。
「あつーい……あつーい!あつーい‼︎」
そう言って僕の肩を叩く久保さん。
「だからって僕に当たらないでよ。確かに、最近暑いよね」
久保さんは額から汗を出している。
「久保さん。汗が多いよ。ハンカチは?」
「あるー」
のそのそと、体操服のポケットからハンカチを取り出して額を拭く。
「はぁー。暑い……寒がりなんだけどさ、暑さは少し平気なの」
体育館を出て、僕は向こうにある自販機を指差す。
「じゃ、汗をかいてる久保さんにはスポーツドリンクがおすすめだね。ポカリだけど」
「えー……なんかすっぱくてやだ」
「こう言う時のスポーツドリンクが美味しいのに……」
「えー、わかったよ」
僕はポケットからSuiKaを取り出す。
「えー、買ってくれるの?」
「うん。僕も買うつもりだから」
ボタンを押してタッチして、一本買う。
「はい。久保さん」
「ありがとう拓くん」
僕の分を買って、蓋を開けて飲む。
「ふー……」
うん、この時が一番美味しい。
でも、久保さんは苦悶の表情。
「え……どうしたの?久保さん」
「蓋が……開かない」
今にも久保さんはイライラしてスポーツドリンクを叩きつけそうだ。
「ほら、ちょうだい。開けてあげるから」
「ういぃー……」
開けて久保さんに渡す。
「はい」
「ありがとう」
そう言うと、一気に半分ほど飲み干す。
「ありがと……生き返った。早く帰ってエアコンの部屋に行きたい……」
「至福だけども」
笑いながら言う。




