対策
とある日の久保さんのお家
「わーー。また負けたー!」
久保さんは毎度のごとく僕にゲームでは勝てない。
「どうすれば勝てるの?」
「とにかく、キャラを使いこなすことだね。僕は同じキャラだけど、久保さん違うキャラばっかじゃん」
「うー……いっぱい使いたいもん」
「僕に勝てる方法か……でも、久保さん。手加減嫌いでしょ?」
「うん……勝った気しないもん」
久保さんのこだわりには、理解できる。
「勝つ方法……うぅ」
久保さんは僕の太もも頭を乗せる。
「え……久保さん?」
「なら、集中を削げばいい」
かなり驚いている。なんか、変に心臓がうるさい。やっぱり、僕も年頃なのか。
「……転がったままだと、操作できにくそうだけど」
再び、キャラを選ぶ。
「じゃ、久保さん。行くよ」
「はいはーい」
久保さんが声を出すと、僕の太ももが振動する。そうか、声は声帯の振動で……いやいや、考えるのはそこじゃないか。
数分後ーー
「は〜〜〜」
ドキドキ緊張しながら、なんとか勝てた。
「あー。なんで勝てないの」
久保さんが僕の太ももから言う。声が下から聞こえる。
「おー、賑やかだな」
後ろには、若葉さんがいた。気配を消すのが上手い。
「若葉さん」
「なんだ。ス○ブラじゃないか。私もやりたかったんだ。貸せ」
久保さんの腕から、コントローラをもぎ取る。
「てか、歩果。その体勢はなんだ?羨ましいじゃないか」
「拓くんの集中を削ぐためだよ」
「ほぅ。でも、負けてるじゃないか。どれどれ。私が妹の仇を取ってやろう」
「それ、ゲームしたいだけでしょ」
体よく久保さんがつっこんだ。
「ほら歩果。邪魔だ」
久保さんが僕から起き上がって、ソファから立つ。そして、そこに若葉さんが座る。
10分後ーー
「若葉さん、強すぎますよ……」
3連戦したが、全部若葉さんにコテンパンにされた。
「ワハハ。バドミントンでも勝てないとは。若葉ちゃんも舐められたものだな」
若葉さん、強すぎるよ。コンボやカウンターを巧みに使って僕を倒してくる。
「お姉ちゃん。私にも」
久保さんが手を伸ばす。
「おー。歩果。私とやるか?」
「お、久しぶりだね。やろうか」
結局、誰も若葉さんには勝てなかった。
*
「ふぃー」
拓くんが帰って、私は制服に着替えてメガネをかける。
「さすがに、やりすぎたなー」
拓くんの膝。意外と硬かったなー。男の子って不思議ー。
次は、私の膝に乗せよっかな。
そうすれば、おあいこかな。




