想像できるビー玉
僕の部屋に、謎の透明なビー玉がある。なぜだろう。ラムネを飲んで取り出したものなのかと考えたが、あいにく、ラムネなんて飲んだことない。炭酸嫌いだし。
気になったから親に聞いてみたが、「知らない」の一点張りだった。
仕方がないから、期待はしてないけど久保さんに電話してみた。
『なるほど。謎のビー玉か……』
「うん、なんなんだろうって」
スピーカーにしてベッドにスマホを置き、ビー玉を見る。
『あれじゃないの?小さな水晶玉。見れば、なんか運勢とか未来が見えるんじゃない?』
「そんな凄いもの?」
見る限り、ただのビー玉だ。ガラス百パーセントの。こんなものにそんな超能力があるなら、絶対僕の部屋にはない。占い師なんて最近は見ないし、あっても占ってもらいたくはない。“信じるか信じるないかは”ってもんだけど。
覗いてみると、未来どころか逆さまな縮小された魚眼の空間が見えるだけだ。
「んー。なんか、もうちょっと、ない?現実的な……」
『じゃあ、卓くんも創造してみてよ』
「えー……」
ビー玉を見る。小さくて、丸くて、透明で……なんか、宝石みたいだ。でも、何かが違う。
「小さな、隕石……とか?」
『グ……』
笑いを堪えてるな久保さん。
『……なるほど……っ他には?』
今度は笑いを超えて楽しんでる。また笑える答えを期待しているな。
「えー……」
またビー玉を見る。どう考えても何も思いつかない。ダメ押しで、もう一回“小さな隕石”とでも言ってみるか?いや、ダメだな。耐性ができてるかもしれない。
「やっぱり、小さな水晶玉かな?」
『ほらほら。やっぱりそれじゃないの?』
「うーーん……」
それから、雑談をして電話を切ってビー玉を二分くらいじっと見たが、結局何にも見えなかった。




