表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/73

身体測定

 今日の体育は、身体計測をすることになった。

「男子は先に視力。女子は身長と体重測りますからね」

 ちなみに、女子の方は女性の体育の先生がやるから、女子は安心なはず。

「右……下、上……わかりません」

「はい。0.8。反対」

 こんな風に、なんの異常もなく進む。みんな、ドッジボールが楽しみだから少し静か。


 女子全員の測定が終わると、今度は男子が身長と体重を測る番。

「162センチ……」



 ドッジボールで、久保さんと同じチームになったから聞いてみた。

「久保さん。身長いくつだった?」

「163」

「なんで僕の方が背が低いの」

「一センチでしょ。ただの誤差」

「違うよ。朝起きた時が一番背が高いんだよ。転がってるから、背骨が重力の影響を受けないから元の長さに戻るんだよ」

「……じゃあ、夜が重力かかってるから低いってこと?」

「そういうこと」

「あ、始まるみたい」

 イタズラに体重を聞こうとしたけど……1発やられそうだし、ドッジボールが始まるからやめた。



            *



 ドッジボールは、基本的に僕は逃げない。昔は大はしゃぎで逃げてたけど、今や僕は狙われる側の人間ではないから。

 それに、動かない方が疲れないし。

 動くのは、ボールを持った外野が近くにいる時か、飛んできたボールがこっちにきた時。

「おるぁ。リア充爆発!」

 変な私怨で投げてくる人もいるな。

 こんな風に、ボールの交錯を見るのは何かと楽しい。だから僕はずっと内野にいる。

「ほ」

 伏せて飛んできたボールを避ける。

「うぇ」

 久保さんが当たった。ドッジボールが強いと錯覚したのか、流れ弾に当たったのかは知らないけど。

「あれ……」

 気づくと、僕の周りは誰もいなくなっていた。

「んー……」

 こう言うの苦手なんだよね。

 しかも、相手側はバスケだかサッカーだかの人。

 どうやって避ければいいのかな。

 すると、相手がボールを投げてきた。まぁ、そりゃ投げるよね。こんなひ弱に。

 さっきと同じで、伏せてボールを避けつつ、すぐに体を戻しながら後ろに向ける。

 外野が投げてくるから。

 言うほど速くはない。

 足をあげてボールを避けたけど、ワンバウンドして、僕の太ももに当たる。

 少し転がるスピードが落ちたから、慌てて線ギリギリでキャッチする。

 でも、相手には投げない。

 味方の外野に回す。

 僕はとりわけ身体能力も良くない。中の下。それくらいでいい。

 味方がボールを投げるけど、また避けられる。

 手強いね。

 また僕がボールを持ったから、また外野に。

「やべ」

 味方がボールを投げてくれたのに、敵外野に行ってしまった。

「べ」

 顔にボールが当たった。

 失格のホイッスルが鳴るが、周りの「セーフ」の声で、取り消しになった。

 あれ、敵の彼も「セーフ」って言ってたような。

 内心お礼を言いつつ、内野に向けてボールを投げる。貧弱なボールはすぐに取られて、投げられて外野に。

 外野が投げた時だった。

 避けた拍子に、足が絡まって尻餅をついてしまった。これは……

「ちょ……」

 かっこ悪いけど、手で床を押して床と体操服の滑りでボールを避ける。

 投げるところと言えば、ここしかないから。

「刺せ!刺せ!」

 誰か競馬気分で見てない?

 起き上がった時だった。

 ピーーーーーッ

 ボスッ

 笛が鳴った瞬間に、僕にボールが当たった。

 みんなが注目して、先生を見る。笛が鳴った瞬間にボールが当たった。

 そして、別の先生と話している。

「これって、当たったことになります?」と聞こえる。 

 嫌に早い心臓。

 そして、しばらくして……

「ドロー……引き分け!」

 僕は安堵で、息を漏らす。



 体育が終わって、久保さんが話す。

「すごかったよ拓くん」

「ありがとう……無意識みたいに避けてたから、あんまり実感ないかな」

 大体、一生懸命やっているとそんなもんだ。

「私も、すごいかもって」

 和泉さんが少し詰まりながら言う。

「ねぇ。凄かったよね和泉ちゃん」

 久保さんが和泉さんの頭を撫でる。

「わわ……クーちゃん」

「あとで梳かしてあげるから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ