おそろい
「あーーーーーーー‼︎」
柄になく、和泉ちゃんが大きな声を出していた。
「え、なに……どうしたの?」
私は初めての友達の反応に驚きつつ、聞いてみる。
「二人とも、色違いのぬいぐるみ付けてるー」
恥ずかしいのか、少し声を抑えた和泉ちゃん。
「今気づいたの?」
確かに、私にカバンに小さな白いネコのぬいぐるみ。拓くんのリュックには、黒いネコのぬいぐるみ。
「あぁ、これね」
拓くんは付いているぬいぐるみを持ち上げる。
「な、なにそれ……」
和泉ちゃんが聞く。
「これね、僕のせいでもあるんだよねー」
おもむろに拓くんは話し始めた。
*
その時は、高校に入学してすぐのことだった。
「ねぇ、拓くん。今日は何の日か知ってる?」
「ん?4月15日でしょ?なんもないよ。今日もこうして学校に行ってるでしょ?」
「私この前言ったでしょ?」
「え?なんだっけ」
「あー、男の子ってこれだから鈍感」
私は乱暴に頭をかく。
「んー?なんだっけ」
「私の、誕生日」
「…………あ」
拓くんは慌てて両手で顔を覆った。
「そうだった……ごめん」
「ねぇ、何回私が、おめでとうって言われるタイミングを想像したと思う?」
「ごめん。じゃ、学校の近くに雑貨屋さんがあるから」
「いや、いいものがあったから」
「……ん?」
私が連れてきたのは、ゲームセンターだった。
「久保さん。こんなところに欲しいものなんてあるの?」
拓くんはこう言うところに行かないのか、少しドキマギしている。
「これ」
そこには、手のひらサイズの白黒のぬいぐるみがいた。
*
「まぁ、そんなわけで2体取れたから付けようって久保さんが言ったんだ。僕、嫌だったんだけど……忘れてた側だし」
(ーωー)な顔をしながら言う拓くん。
「えー、いいなぁ。私にもそう言う友達が欲しかったー」
和泉ちゃんはそう言いながら水筒を飲む。
「拓くん貸してあげようか」
「やだよ。クーちゃんがちらつくから」




