雑学クイズ
「じゃあ、ヒョウの模様の名前は?」
「えーわかんない」
「ロゼットっていうの」
今日は卓くんの家で暇つぶしに雑学のクイズをしてもらっている。卓くんは私の隣でチョコビスケットを食べている。少し腹立つ。
「それじゃあね……マーガリンを間接的に作った人」
「アラブの商人だっけ?」
「それはチーズ。正解はナポレオン3世」
なんでそこまで知ってるんだ……
「じゃ、簡単な問題。第二次世界大戦終結後に日本に来たGHQの最高司令官は?」
「マッカーサー!」
「じゃ、名前は?」
「え?」
「時間切れ。正解はダグラス・マッカーサー」
マッカーサーといえば、パイプを咥えてることで有名だよ。
「じゃ、簡単なもの……長篠の戦いで信長に敗れたのは?」
「今川義元?」
「それは桶狭間。長篠だから?」
「あ、武田勝頼か」
私は歴史が苦手らしい。ちょっと悔しい。
「五重の塔と言えば?」
卓くんは急に妙なことを言い出す。
「え?法隆寺?」
「幸田露伴。小説『五重の塔』の作者だね。それじゃ、『三四郎』『それから』は?」
「夏目漱石!」
「はいグレートアンサー」
卓くんは私にチョコビスケットを差し出して食べさせる。私の餌付けを覚えたようだ。
うま。
「じゃ、私も問題出しちゃお」
「どうぞどうぞ」
「夏目漱石のこ……」
「甘いもの。特にアイスクリームを好んでた」
「満点解答……人間の煩悩は?」
「108個」
「蘇我」
「中臣鎌足」
「何で分かるの?"蘇我氏"の"蘇我"しか言ってないのに?」
「勘だよ。歴史上で蘇我氏といえば、蘇我入鹿だし、そうくると中大兄皇子と中臣鎌足しかいないわけ」
私が言おうしてたのは、"蘇我入鹿を倒した藤原氏の先祖の人は?"だけど、まさか勘でここまで頭が働くとは。
「ちなみに、中大兄皇子は、大化の改新で天智天皇に即位したね」
自信満々な顔でジュースを飲む卓くん。
こうなったら、奥の手。
「じゃ、卓くん」
「ん?」
そんな不思議そうな顔も今のうちだ。
「私の胸はどれくらいでしょう?」
「…………え?」
ヒヒヒ。答えられるはずがない。男の子はこういうところだけ答えられない。
「…………じゃ、パスで」
「後に回す?じゃあ、バストサイズ」
「言い回し変えてもダメだから。じゃあ、平均のC」
「さあね」
そう言って私は玄関に向かう。
「え、久保さん?」
「的外れな解答だったね」
「えー…………知識を持ちすぎると苦労するよ」
「お互いね。じゃ、お邪魔しましたー」




