【過去回】高校進学前
僕は自分の受験番号を一旦確認し、合格者発表の掲示板を見る。
「…………」
隣にいる久保さんも、真剣な顔で掲示板を見ている。
「……久保さん、どう?」
この高校は、久保さんだとちょっと偏差値が高い。でも、久保さんは一生懸命勉強した。僕も、できる限りのサポートはした。
嫌に心臓が速い。
もし、受かってなかったら?
いや、2次募集がある。まだ可能性はある。
久保さんは僕を見る。
「………………受かった」
全身の力が抜けそうだった。でも、ここで座り込むわけにはいかない。人の目がある。
「卓くん。またよろしくね」
「……うん。僕も」
「……よし、あとは書類をもらって帰るだけだね。あ、暇ならうちでお菓子買ってお祝いしよ?お姉ちゃんバイトだし」
「そうだね。あと、ゲームもしよ。いっぱいやろうね」
「あー、気が楽だーー!」
久保さんは思いっきり伸びをした。
「…………」
僕はいつの間にか目頭を押さえていた。
「え?卓くん?」
「いや、良かったなって……もし、久保さんが落ちてたら」
「んー。卓くん。ちょっと静かにしよっか。そうじゃない人がいるんだから」
*
久保さんの家に上がり、僕らはジュースで乾杯する。
「改めておめでとう。久保さん。僕からしたら、ちょっと不安だった」
「ふふん。私だってやればできるでしょ?」
そう言ってチョコビスケットをつまむ久保さん。僕もそれに便乗して。ポテトチップスをつまむ。やっぱりサワークリームオニオンだね。
「うん。勉強が終わった後の甘いものは最高だね」
そう言って親指を立てる久保さん。
「良かった良かった」
にこやかに僕も親指を立てた。




