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たい焼き
ある日の学校の帰り道ーー
「ねぇ、卓くん……」
「ん?」
「今日さ、寄りたいところがあるんだけど……」
「寄りたいとこ?」
僕が聞き返す。
「ずっと前にさ、食べにいったでしょ?たい焼き」
「たい焼き……あぁ!あそこね」
確かに。ホームセンターの入り口の近くにたい焼きとかたこ焼きが売ってるところがある。
「そうだね食べに行こうか」
近くにベンチがあったから、僕と久保さんはそこに座る。
二人とも買ったのは、カスタードだった。
「なんか、冷凍のものよりこう言うのが何かと美味しいんだよね」
「あぁ、わかる!」
なんとなく笑って、たい焼きをかじる。
「…………ねぇ、卓くん」
「ん?」
「どうでもいいけどさ、あんこのことをさ、小倉って呼ぶじゃん?」
どうでもいいと言う前置きは少しいらない気がする。
「うん」
「小倉ってつぶあん?こしあん?」
「あぁ、つぶあんだね。名前の由来は“小倉山”っていう山に由来してるよ。紅葉の景色があんこの粒に見えるからだって」
「へぇー。卓くんは?」
「こしあん。久保さんは?」
「つぶあん。ヘヘヘ」
「なに?その笑い方」
なんとなく。理由もなく笑った。こう言う瞬間って、なんか大切だよな。
そう思える。
いつもよりカスタードクリームが甘い気がしてきた。




