寝落ち
「うぁ……」
少し見慣れた白い天井。
久保さんの家で寝落ちしてしまったらしい。
確か、ゲームをしてお菓子を食べてたら眠気が……あー。昨日、5時間しか寝てなかったからか。
「拓。起きたか」
マグカップを持った若葉さんがいた。
「はい……寝てしまってすみません。どれくらい寝てました?」
「2時間くらいだぞ」
「え」
7時?
閉まってるカーテンを開けると、空は暗かった。母はパートじゃないから、一応、夕食を作る必要はないけど。
「あ、あの。久保さんは?」
「私か?」
「違います。歩果さんは?」
「歩果か。なんか、お前の寝顔を見て大慌てで部屋に行ったぞ」
「えー」
僕の寝顔、不気味だったの?それとも、歯ぎしりか何か?
「様子を見に行こうか?」
若葉さんがウキウキで言う。
「お願いします……多分、寝てるか漫画動画を見てるかのどっちかなんで」
「はいよー」
意気揚々と階段を駆け上がる音がする。
若葉さんは元気だな。あの人、何時間くらい寝てるんだろう。
「拓くん。起きたんだ」
30秒くらいで、久保さんは若葉さんと一緒に戻ってきた。
「よく寝てたけど、何かしてたの?寝不足?」
「あー、いや……」
すると、若葉さんは僕に近づいて、腕を僕の肩に絡める。
「吐いた方が身のためだぞ。罪は軽くなる」
「僕は被疑者じゃありません」
あと、前にボリュームがあるせいで背中に柔らかさが伝わる……あぁ、いやいや。
「で、なにしてたの?」
久保さんは再度僕に聞く。
「んーー。自分の変身ポーズを熟考してて……」
「オタ芸か?」
若葉さんが聞く。
「なんとでも言ってください。童心を忘れないことは大切なんですよ」
「それは同感だ。それに、引いてるわけじゃないぞ。良いのはできたか?」
「イマイチでした……ガシャ○トって汎用が高くて……回したり投げたり、スイッチを他の指で押したり」
「エ○ゼイドか。私も見てたぞ。あれは面白かったな」
「おーう」
若葉さんが手を差し出してくる。
すかさず、ハイタッチをした。
「イエスイエース」
若葉さんが握手をして、腕をブンブン振る。




