服装かぶり
「久保さんごめん。遅れちゃった」
僕は手を膝に置いて、僕は息を切らしている。体力のなさを痛感するなー。
「大丈夫大丈夫。私の方が遅刻の回数多いから」
「ああ。何回イライラしたか分かんないよ」
疲れてもツッコミができる。それが僕。
「まさか、1時間も時間を――」
顔を上げると、僕は吹き出した。
「久保さん……僕たち、服装とか相談してないよね」
「え、そうだよ」
「なんで帽子と服がかぶってるの……ハハハ」
僕は黒い帽子に黒い服。
久保さんも同じだった。
なんで上半身はかぶるのかな。久保さんがコンタクトじゃなくてメガネにすれば、僕が吹き出すこともなかったのに。
「えー。拓くん、真似しないでよ」
「こっちのセリフだよ」
「そっくりそのままお返しする」
服装かぶりって、兄弟じゃなくても本当にあるものだなー。まぁ、僕に兄弟いないけど。
「えー。服装がかぶるなんて、お姉ちゃんとだけだったのに」
「まぁ、あるあるだよねー」
「拓くん兄弟いないじゃん」
久保さんにも言われた。
「えー。じゃあ、拓くんが持ってないような服着よ。何色だろう。拓くん、何色の服持ってるの?」
「ん?白色と黒色と水色?あ、ベージュも」
「んー。じゃあ、ピンク色」
「あー。久保さん、かわいいいから似合いそうだよね」
「ねぇ!不意打ちやめてよ」
「え、なにが?あ、白色は?久保さん、似合いそうだよね」
「まぁ。美涼ちゃんの親戚だから」
久保さんはスマホを開いて、美涼さんの写真を見せてくる。
「えー。メッッチャ似合う。なにこれ、美涼さんだよね。なんか、天使みたい……あた!」
足を蹴られた。久保さんに。なんで?
「久保さん?」
「もうちょっと前向いてたら、拓くんの拓くんが潰れてたね」
あ、怒ってる。え、美涼さん褒めすぎたから?だって、本当にかわいかったんだもん。
「久保さんごめん。でも、美涼さんは直接見たことないから、久保さんが一番かわいいよ」
「フッ。美涼ちゃん見たら“1番”が変わるんでしょ?」
「いや……まぁ、そうだけど」
「なんで認めるの。そこは否定するでしょ。とりあえず、もう1発蹴るから準備して」
「どうしろって言うの?」




