108と言えば?
「拓くん。108と言えば何でしょうか」
唐突に久保さんに投げかけられた質問。
「ん?人間の煩悩?それとも、消費税8%の100円の税込み価格?」
「え、話数なんだけど」
「え?」
「ん?」
閑話休題。
「なんだ。拓くん知ってるじゃん」
「でも、人間の煩悩って意外と多いよね。僕でも覚えられないよ」
「でも、なんでそんなに多いんだろ?」
かっこよく、声を低くしてみる。
「まぁ、人間は欲望まみれだからね。金に権力、男に女に知識。はたまた、承認欲求」
「ふーん」
あまり好感触じゃなかったなぁ。
「まぁ、久保さんはそう言うのなさそうだね」
「ないよ。今はゲームがしたい」
「そう言うのを欲望って言うんだよ。そうだね。久保さんの煩悩を予想してみるよ。三大欲求は必ずあるものとして」
「えーなにそれー」
久保さんの顔をじっと見る。深い意味はないけど。
「んー。まず、ゲームでしょ?で、お腹が減ったから食べ物……あぁ、これは食欲か。あ、お金が欲しい?」
「うん。お小遣い使いきっちゃって」
「んーーー。あ、メガネは?視力悪くなってない?」
「えー。何でわかったの?作り直す予定だったのに」
「勘だよ」
久保さんは躍起になったのか、「私も私も」と言って僕の顔を覗き込む。なんか照れるなー。
「拓くん、なんか忘れ物した?言い訳考えてない?」
「忘れ物はしないよ」
「あ、部屋に飾る変身ベルトは?」
「あー。最近良いのがないっていうか、好みじゃないのが多いんだよねー。やっぱりエグ○イドとビ○ドが良いなー。ギミックはシンプルだけど面白いんだよねー。最近はビヨン」
「あ、ちょっと眠い?」
「え?うん。眠い。少し寝不足でさ。新しい漫画動画を見終わったら寝れなくて」
「あー。ブルーライトの浴びすぎだよ。拓くんも前に注意してたじゃん」
痛いところを突かれた。
「お……身長も気にしてる?」
思わず、椅子から立ち上がって中腰になった。その際、後ろの人の机に椅子をぶつけちゃった。
「わー、嘘嘘。冗談冗談。ね」
久保さんは身長を指摘されると殴られるとでも思ってるのかな。
後ろの人に「ごめん」と謝った。




