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異世界に精通している私は目の前に異世界生物が現れても動じない②  作者: さえ
第五章 作戦会議

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「「いただきます」」


 私も席に着き食事を始めながら先程の雄真の言葉を思い出す。


「それで、属性って?」

「ああ、そうだったな。今日はさ、まず秋保大滝に行ったんだ」

「良いわね、涼しかったでしょう?」


 大自然の中のあの立派な滝を思い浮かべる。この時期には最高だったに違いない。


「ああ、滝壺の辺りは特にな。でも行きも帰りもユエを肩に担がされて、しかも山道をサンダルで歩いたもんだから滑らないように慎重に時間かけたから汗だくになって参ったよ」

『雄真が勝手に担いだんであろうが』

「行きはな。帰りは歩いてくれると思ったのに、当然のように担がせたのはユエだろ。しかもあまり揺らすなとか無茶言いやがって」


 二人の様子で今日だけでさらに打ち解けたのがよく分かる。テンポの良い掛け合いが面白い。でも喧嘩を始められてはかなわないので私は話の先を促した。


「それで?」

「あ、ああ。俺のお陰で!結構しっかり水の気を取り込めたように見えたんだよ。目に見えて髪艶が増したっていうか」

「ああ!私も思ったわ。なんか艶々になって来てるわよね!」


 自分の手柄を強調するところは気になったが、先程私も感じたユエの髪艶の良さを雄真も気づいていたようだ。力の回復具合に比例するとでも言う事だろうか。


「そのあと二件、神社を梯して最初が蛇の神社だったんだが更に髪の艶は増してた。綺麗な水も境内に流れてたし、あそこ金運の神社だろ?水と金って五行で言うと相性が良いんだ」


 五行。確か木火土金水と言う自然の持つ「気」の事だったか。西洋的には火地風水が、東洋ではこの五行がよく属性の基本だとされる。「気」を掛け合わせる事で相乗効果が発揮されたり打ち消しあったりと、「気」の本質や特性を理解し利用して環境を整える風水などではお馴染みの考え方だ。しかし五行とは、なかなかの着眼点だと感心する。属性なんかもあるかなって最初は私も考えたのに、ユエの体調は環境に左右されないと聞いてすっかり思考から外してしまっていた。


「最後は竹駒稲荷に行ったんだが、先の二箇所に比べるとそんなに変化がなかったと思う。って事はユエの属性は金か水で、その気が良く作用したのかもと思ったんだ」

「五行って、風水なんかで使うやつよね?確かに、言われてみればユエも自身の力を水が増やすって言ってたし、相乗関係で考えるとそれってユエの属性が金ってことかも!」


 色々と合点がいき納得していると、ユエは何を今更という顔をする。


『言っておらなんだか?』

「聞いてないわよ。でも雄真、良く気がついたわね?」

「蛇の神社で気学の表があって、ユエの金髪を見てたら何となくな。ユエの世界じゃユエが居なくなると荒れる大地ってのも、不足するから金を大地が生み出そうと足掻いてるみたいだと思ったしな」

「確かに!じゃあ、手当たり次第にパワースポットを回るより金や水の属性の強い場所に的を絞れば効率が良いってことね!」

「そういうことだ」


 私一人ではこのことに気づけたか怪しい。気づけたとしてもかなりの時間をかけてしまった後だったかもしれない。やっぱり雄真にユエの事を相談して正解だった。


「滝壺でかなりの回復が見られたなら、神社に拘る事はないのかしら」

「良い気ってやつはどこの神社でも良いもんなんだろうから、金や水の性質が強ければなお良しだろうな。ただ、五行で言えば金は土が生み出すものらしいから自然を流れる川ってだけでもユエには良いんだろうと思うが、どうなんだ、ユエ?」

『本好きな、雄真は流石に聡いの。確かに大地を流れる清き水は特に我の力となる。流石、読書家だの、雄真』


 本好きゆえの考察力を褒められたのに何故か雄真は眉間に皺を寄せてユエを睨んでいる。褒められているのにそんな顔しないで素直に喜べば良いのに。


「最初から言ってくれれば良かったのに、川に連れてけって」

『言っておったろ、神水と共に始めに所望したはずだ。清き水と』

「そういえば…。でも、それじゃ分からないわよ。ユエは少し言葉が足りないと思うわ」

『神とは多くを語らぬものよ』

「もっともらしい事言っちゃって」


 一日雄真と過ごして意地の悪さが移っちゃったんじゃないかと疑ってしまう。私はユエの言葉にフンと鼻を鳴らした。


『まあそう気を立てるな。神社の気にも触れてみたかったからの。それに我の少ない言葉でもそこから色々と考える千歳が興味深くもあったのだ』

「そもそも昔からこうだと思えば他の手段を念頭から外すからな、千歳は。ユエは神様、それなら神社って決めてかかってたんだろ」


 雄真に短絡的と言われているんだと分かってムッとしたが、神様イコール神社と思ったのは確かだから言い返せない。





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