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私はお酒を二本抱えて「珈琲屋」へと戻った。温められたミートソースの良い香りが店内に広がっている。
「食材の仕入れはしてないからパスタしか出せないけど良いか?」
店に入った途端に食欲をそそる香りを堪能していた私に雄真が声をかけてきた。
「勿論!贅沢は言わないわ。それと、はいコレ」
そう言って私は酒の瓶を一本差し出す。
「酒?」
「そう、豆のお礼に買っておいたの。良かったら休み中に楽しんで」
「何だよ、気にしなくて良かったのに。まあ、でもありがとう。神社の酒か?」
「そうよ。ブライダルフォトの同行で寄ったところにあったのよ。ユエの回復に役立つんじゃないかと思って雄真の分と一緒に買ってみたの」
『チトセ、はよ神酒をくれ』
「はいはい。雄真、コップも貸して貰える?」
「良いけど、ユエが飲むのか?」
見た目は子供だからやはり違和感はあるわよね。雄真は嘘だろって顔してるがコップを差し出してくれた。
『おお、コレじゃコレじゃ!』
おっさんみたいな反応をその見た目でして欲しくないが、本当に美味しそうに飲むから良しとするか。
「その姿で酒とか、何だかな、、」
「気持ちは分かるわ」
私たちはかつてリオンがいた時にしていたように一つのテーブルを囲む。パスタだけっていってたくせに冷凍野菜を使って温サラダも添えてくれていた。本当にまめな奴だ。
「それで、神社巡りはコレからも続けるのか?」
パスタを口に運びながら雄真は聞いてきた。
「うん。神社にいるだけで結構回復するみたいだし。少しでも早く帰してあげたいし」
ゴルトアウルムクリューソスの命たちはユエの帰りを待っているのだから。雄真の知恵も借りようと私は質問した。
「どこか良さそうなスポット知らない?」
「八幡宮」
「行った」
「塩竈神社」
「今日行って来た。ちなみに御釜神社もね」
「まあ、まずはそこだよな」
我々地元民なら、初詣や厄払いといえばココという神社だ。雄真もやはりまずはそこを思い浮かべたようだ。
「撮影には連れて行ったのか?」
「ううん、その頃はまだ眠り続けてたからね」
「金運で有名なところだろ、南の方の」
ユエが飲んでいる酒のボトルを雄真が見た。
「そこにも連れて行ったら良いんじゃないか?確か境内で滝行も出来るようになってたろ?水も好きってんならもってこいだろ。そこの酒もお守りも効果があったんならさ」
「連れて行きたいとは思っているけど、少し遠いからね」
電車やバスで行けなくはないが仕事の合間に行けるような距離ではない。それこそ撮影とかがあれば良いが、現場に子連れは気が引けるし。
「行くとしたら次の休みかな。明日明後日は仕事が詰まってるし」
「じゃあ明日俺が連れて行こうか?」




