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「ユエ、ちょっとだけ待ってて」
ユエの頭を人撫でして私は近所の服屋に走った。世界的に名を知らしめる某ファストファッションの店舗が近所にある。性別に捉われないデザインも豊富だし、子供服も手に入る。先の異世界人リオンが来た時もここで服を調達したのだった。うちにあっても仕方ないから部屋着に出来そうなもの以外リオンの服は雄真にあげてしまったが。
人の姿になったユエはとても可愛かった。その姿なら連れ歩いても問題ないが、流石に裸という訳にはいかない。歩いているうちに開店時間を迎えていた店内に駆け込むと急いで何点か子供服を見繕い会計を済ませる。ユエが帰ってしまった後は友人の子供にでもあげればいいと無難なTシャツや半ズボン等で揃えてみた。
家に戻ると大人しくユエはタオルにくるまり酒を飲んでいた。この見た目でお酒って何だかな、とは思ったがユエにとっては命の水だし目をつむろう。それに人ではないのだし、年齢云々の概念は通用しない。
「さ、着替えるのよ」
『窮屈だのぉ』
「夏とは言っても流石に裸で連れ歩く訳にはいかないから申し訳ないけど我慢して?」
『仕方ない、堪えよう』
よし!完璧な幼児の出来上がりだ。
「出掛ける前に確認なんだけど、ユエの声は私以外にも聞こえるの?」
『聞かせたい者に聞かせる事が出来るぞ』
「じゃあ、私以外には声を届けないという事も出来る?」
『無論だ』
「私はだいぶ慣れたけど、頭に突然言葉が届いたら誰でも驚いてしまうの。誰かに話かけられる事があったら、おしゃべりは苦手な恥ずかしがり屋という事にするから外では私以外に声が届かないように注意してくれる?」
『ふむ、致し方あるまい。普段も誰かに言葉を届けるなど滅多にないから苦ではないしな』
世界であり、神のような存在のユエは自分の世界を見守るだけで誰かと言葉を交わす事はないのか。ここにいる間は沢山おしゃべりさせてあげようと思う。
「私にはどんどん言葉を投げてくれて良いからね!」
私の言葉に柔らかく笑うユエの可愛い事!




