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【悲報】ダンジョンで撮影したら、間違って誤配信してました〜回避特化な私が、何故かバズってしまった件  作者: 水定ゆう


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第70話 カベトカゲって危険だよね?

あれから日を跨いで。


「グギャア!」


 カベトカゲの鳴き声が洞窟内に響く。

 掻き立てるような反響音がマイクには音声データとしてしっかりと残されていて、聴くだけで千世と師走は脳裏に呼び起こされる。


 シュン! シュパッ!


 カベトカゲの赤い舌が伸びた。

 硬質化されていて、鋭く長い槍となる。

 こんなものに貫かれたら即死だ。

 恐怖心が常々呼び起こされると、身震いした。やっぱり観るものじゃない。


 ポタッ! ポタポタポタポタ!


 天井から酸の雨が降る。

 超強力な代物で、極悪な酸性。

 カベトカゲの体液が降り注ぎ、地面を溶かし、服をボロボロにし、体を壊させる。

 師走がその後如何なったのか、思い出したくもない嫌な記憶が滲み出る。



「なるほど。確かにカベトカゲですね」


 ウィンディは真剣な面持ちで答えた。

 エルフであるウィンディが答えるのだから、信憑性はかなり高い。むしろ間違えない気がしてならない。だって、ウィンディは強いから。


「やっぱりその名前で合ってたんですね。良かった」

「もしかして、みんな同じ感性なのかな?」

「壁を歩く蜥蜴。ですからね」


 ウィンディは語源を説明してくれる。

 如何やら誰でも思い付くらしい。

 とは言え、壁を歩くだけなら、他にもたくさん居そうだった。


「とは言えコレが原因でしたか。なるほど、納得です」

「納得なんですか?」


 ついつい千世は尋ねてしまう。

 するとウィンディは答える。


「はい。カベトカゲは強敵ですよ。お二人共、良くご無事でしたね」

「そ、そんなこと……」

「右手はやられたけどねー」


 師走は自分の右手を見た。

 ダンジョンの外に出たのでもう元に戻っている。

 とは言えあの時は酷かった。良く片手が封じられた中カベトカゲを相手にできたと、自分でも思ってしまう。


「右手を? 酸を喰らったんですね」

「あははー。油断してましたねー」


 師走は笑っているが、内容は笑い事ではない。

 千世は唇を震わせたが、師走は「まあ、戻ったからいいけどねー」と頭の上で腕を組み、笑い話で終わらせた。


「ですが本当に良かったですね。カベトカゲによる被害は私の居た世界でも顕著でしたよ」

「そうなんですか?」

「カベトカゲは暗闇で行動するモンスターですよ。姿を消し、その上で恐怖を誘い、長い舌を硬化させて敵を背後から貫く。初撃を受け切れるのは、カベトカゲだと認知している人。それだけです」

「「た、確かに!」」


 千世と師走もカメラドローンで撮影した映像のおかげもあり、無事に対処ができた。

 つまり千世達は幸運だった。

 ただそれだけの話で、一歩間違えれば倒すとかの前に戦って姿を拝むことすら叶わなかったわけだ。本当に幸運だったと、神様に感謝する。


「良かったね、師走」

「そうだねー。とは言え、やっぱり酸を喰らったのは私のミスだよー」


 師走は失敗を悔いたりはしない。

 とは言え【加速】を使えば避けられたと思い、苦い思い出にはなる。

 だけどそこから這い上がれる。それが師走のポジティブシンキングだった。


「それにしても酸まで受け切ってしまうのは驚きでした」

「そうですかー? えへへ」

「カベトカゲ最大の攻撃は舌ではなく体液を分泌して放つ強力な酸性の液体ですよ。天井などに張り付いて、雨のように降らせる攻撃もあります。喰らえば即死です。それによく対応して……ん?」


 するとウィンディの口が止まる。まだ説明の途中だったのに、それを阻止してしまう強烈な情報が飛び込む。

 それは映像で、突然画面が虹色に発光したから。

 まるでオーロラのような綺麗な発色だった。


「この映像は?」

「えっと、分かんないです」

「分からないですか? 当事者の筈では?」

「えっと、その、ごめんなさい」


 千世と師走はお互いによく分かっていない。

 だって突然魔石が輝き出したから。

 しかしウィンディは千世の首から下げるペンダントの輝きだと悟る。そしてこの現象がとても珍しく、奇跡的なものだと言うことを勘付いていた。


「まあ、良いでしょう」


 とは言え、何も言わない。

 ウィンディは人の可能性を信じるタイプだ。

 魔石の魅せた力を阻害してしまうのは、異世界から来た身として、止めるのは野暮だった。


 なのでここで一旦空気を変える。

 映像をジッと観ながら、空虚な空気が立ち込める。


「これで全部ですね」

「「はい」」


 映像を一通り観た。

 パソコンのディスプレイに繋げていたSDカードの映像が止まる。


 とりあえずこれで全部だ。

 ウィンディは「ふぅ」と一息整えると、千世と師走のことを凝視する。


「とは言え無事だっただけ何よりでした。実際、このモンスターによって潰えた命もあったんです。命があるだけ、流石な生命力と精神力と言っても過言ではありませんね」


 ウィンディの言葉が強く胸を打つ。

 千世は少しだけ顔色を悪くして暗くなる。

 なのに師走は平然とした様子だった。


「ちょっとウィンディさーん。それじゃあまるで、私達が変人みたいでしょー?」

「確かにそうですね」

「ウィンディさーん!」


 ここで何を思うのか。それが人によっての違い。

 千世はやっぱり思う所がある中、師走はあっけらかんとしている。


 とは言えお互いに精神を病んではいない。

 それだけ精神力が強いことを如実に表していた。

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