表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【悲報】ダンジョンで撮影したら、間違って誤配信してました〜回避特化な私が、何故かバズってしまった件  作者: 水定ゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/77

第63話 酸性の体液が降り出した

酸性の体液って、どれくらい溶けるんですかね?

 カベトカゲは見えなくなる。

 カメラドローンを使わないと、もう姿も追えない。


 さっきのタイミングで倒せなかったので、千世は後悔する。

 しかし師走は呑気というか俄然やる気に満ちた。


「よーし、このまま一気に仕留めるよ!」


 師走はニヤリと笑みを浮かべた。

 白い歯をチラリと見せて自信と元気を取り戻す。


 しかし右腕は未だに痛々しい。

 拳を握ることができないのを疎ましく思っているが、それよりも先に動き出す。


 思い立ったが吉日スタイル。

 【加速】を武器に、ブレーキは無く、アクセル全開で突っ走りに行く。


「それじゃあ千世、本当に本気で倒すからね」

「頑張って師走。でも、無茶だけはしないでね」

「オッケー。それじゃあ、いっくぞー!」


 師走は壁を蹴り上げた。

 そのまま脅威の三角跳びを敢行。

 素早く体勢を変えながら反動を付け、天井付近に潜んでいると思われるカベトカゲを追走した。


「ほっ、ほっ、そいやっ!」

「凄い……」


 千世はそれ以上感想が出てこない。

 自分には到底できないであろうことを平然とやってのける師走に、ドン引きではなく憧れでもなく、ただ単純にカッコいいと感心する。


(だけどこれがもし成功したら、きっと倒せる……かも?)


 かもではない。間違いなく倒せる。

 千世はそう確信して、(頑張れ)と念じた。

 その時だった。頭の中に強烈なサイレンが鳴り始める。


[酸の雨が降るよ。全力で逃げて!]


(酸の雨? 酸の雨ってなに?)


 だけどこの文言。きっとさっきと同じ。

 千世は自分の身よりも先に、傷付いた師走の身を案じる。


 だからだろうか。お腹に空気を溜める。

 時間は限られているものの、精一杯警戒して貰うためにも、全力で声を張り上げた。


「師走、さっきの酸が来るから逃げて!」


 千世の声は師走の耳にも届いた。

 天井に張り付いていたのだが、千世の声を聞いて警戒する。


「千世? 酸が来る? もしかして、さっきの?」


 それを受けて自分の右手を見た。

 酷い目に遭った。だからこそこの忠告を全力で()に受ける。


(動かない方が良いってことねー。了解)


 師走は【加速】を自分自身の足を蹴り上げることで無理矢理止める。

 動かなくなったことで天井に身を潜めて攻撃の範囲から逸れる。これで師走の安全は保証された。のだが——


「これで伝わったよね」


 千世は口に手を当ててメガホンのようにする。

 声が広がったおかげで警告が届いたものの、千世は少し逃げるのが遅れる。自分への危険を予知させるものなのに、それを使わなかったのだ。

 つまりはそういうことになる。


 ポタッ……ポタッ、ポタッ——


 薄らと水滴が落ちてきた。

 天井から滴り落ちる水滴を指先で受けとめた。

 

 ジュー!


「うわぁ!」


 千世は叫んでしまった。

 水滴に指先に触れると、皮膚が少し溶けたのだ。

 あまりの恐怖に指先に付着した水滴を払い落とすと、溶けるのが治った。


「あ、危なかった。コレが酸の雨。師走の右手をあんなにしちゃった……はっ!」


 千世は目を見開いた。

 顔を上げて天井を睨んだ。


 ゆっくりとポタポタと水滴が滴り落ちる。

 しかしこの正体は何処に……千世は最悪を思う。


「もしかして、カベトカゲの体液?」


 もしもコレが全部カベトカゲの体液。

 つまり酸の雨だとするなら、千世は【危険予知】を無視した結果を想像した。

 きっと悲惨なことになる。それだけははっきりと脳へと伝わり、冷静さを一瞬欠く。


「ちょ、ちょっと、待って。うわぁ、ヤバいヤバいヤバいヤバい!」


 千世は大ピンチだった。

 自分の中ではっきりと状況が整理できた。

 この状態は絶対にヤバい。千世の中で焦りの色が奥なると、(きびす)を素早く返した。


(逃げ切れるの、私。って、逃げ切らないと、本当にヤバい……絶対にヤバい。何とかじゃなくて、終わりだ!)


「とにかく全力で逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


 千世は酸の雨を何としてでも回避するべく、生き延びるために退避する。

 全力で酸の雨の射程距離を抜け切るべく、千世は力の限り、体力の残る限り、全力で駆け抜けた。


「あっ、そこを曲がって!」


 千世は少しだけ通路が狭まるのを見つけ、一瞬にして動きを変える。

 直角カーブを決め、上手く身を逸らす。

 体を丸めて飛び込むように隠れると、何とか酸の雨の射程距離を脱した。如何やら効果範囲も射程距離も広いようで、そこまで広くはない。


「危なかった。でもそうだよね。カベトカゲ、一メートルくらいだったもんね」


 いくら体の体液が資本でもそこまでの範囲は出ない。

 しかも天井から降らせているなら師走もきっと無事だらう。


「でも如何しよう……」


 千世は悩んでしまう。頭を抱える。

 一難去ってまた一難。

 そんなことわざがあるけれど、本当にその通り毎回進んでいて、特に今回は困る。だって、酸の雨のせいで近付かなくなっちゃったからだ。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ