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【悲報】ダンジョンで撮影したら、間違って誤配信してました〜回避特化な私が、何故かバズってしまった件  作者: 水定ゆう


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第48話 怖いニュースを観てしまった。

この世界の真実。

こういう事が平気で起こる世界。

 パリッパリッ!


 千世はリビングで煎餅を食べていた。

 直径の長い大きくて丸い煎餅で、一枚一枚薄い。

 一箱に九枚入りで、一枚でもかなりの満足感がある。何よりも味が良く、牛乳を使っているので程よく甘い。


 食後には丁度良いと思い晩御飯を食べた後に食べていた。


「うん、美味しい」


 一ヶ月前に買ったものだけど、全然食べられる。

 ここ最近はダンジョンに行ったりで忙しかったせいもあり、こうして満足に心の平穏を保てていなかったので、心身共に疲労感が蓄積されていた。

 それが一気に抜けていくのが、ダラーンとソファーに座っていたので伝わる。


「そう言えば、今って何やってるのかな?」


 千世は七時半頃だったのもあり、テレビを付けてみた。

 テレビは良く見る方だけど、この時間はあまりない。

 最近はスマホを見ることの方が多いからだ。


 などと、珍しいことをしてみてしまった。

 千世は何だか嫌な予感がしたが、その衝動を抑え込むことができず、テレビを付ける。



「……にて、ダンジョンが発見されました。地元ではダンジョンを新たな観光資源として活用する見込みらしく、市の市役所に申請し、危険度の計測を後日行うそうです」



 如何やらニュースをやっていた。

 最近はあんまり観てないなと思い、ボーッとしてしまう。


 すると変なニュースが流れ始めた。

 急に真剣な顔になり、ニュース原稿を握る男性アナウンサーの姿。


 目は笑っていないし、口調も何処か厳しい。

 明らかに事件とか悲惨なことが起こったことを表現している。


「何かあったのかな?」


 千世は煎餅を食べながら、ポツリと呟いた。

 するとテロップが先に目に飛び込んできて、喉を詰めそうになる。そこにはこう書いてある。



[鳴雷市で男性二人の遺体が発見されました]



 そのテロップが千世の視線に入るとほぼ同時に、アナウンサーの人も原稿を読み始める。

 今入ってきたニュースなのか、妙に辿々しい。重苦しい雰囲気を放ちながら、唇が震える。



「本日十六時頃、鳴雷市の車道側にて男性二人が遺体で発見されました。体を強く打っており、警察の調べによりますと即死と断定されました」



 かなり重たい話だ。

 しかし何故? 千世はそう思う。


 この辺り一帯、風見原を含めた天気市では殺人事件なんて滅多な起きない。

 みんな仲が良い上に、基本的にダンジョンが多いらしいから、そっちの方に気を取られる。


 安全安心な街で千世は好きなのに、一体何が起こったのか。

 瞬きをする間もなく、ニュースの続きが読まれる。



「現場近くにはダンジョンもあり、そのことからダンジョン内でモンスターと遭遇し襲われたものと推測されています」


 

 ダンジョン。それを聞いた瞬間、ハッとなった。だってダンジョンは普通とは(・・・・・・・・・・)逸脱している(・・・・・・)からだ。


 しかし如何してこの判断ができたのか。

 あくまでも警察が行うのは遺体の管理と状況説明。

 つまりこの判断を下したのはダンジョン調査課だと千世は一発で理解する。

 だってダンジョンで起きることはダンジョンに入った人じゃないと分からないからだ。



「また、ダンジョン調査課に寄せられた情報によると、許可証を携帯せずダンジョン内に侵入した模様です」



 それは入った人が悪い。

 ウィンディの話をよく聞いていた千世は、ダンジョンでの死亡例も多いと聞いていた。


 そのほとんどが許可証も持たないでダンジョン内に立ち入り命を落とす事例。

 年間で何万人もの人達が、それで帰らぬ人になっているらしい。怖い。



「そのためダンジョン調査課にてダンジョンの中の調査を行う予定です。近隣住民の方々は決して近付かないよう気を付けてください。……それでは、次のニュースです」



 男性アナウンサーは次のニュース原稿を読み始める。

 さっきまでの話題とは打って変わり明るき内容。

 みんなダンジョンの恐ろしさを日に感じているせいで、こう言うニュースの残酷さを知っていた。


「怖いな。ダンジョン」


 この間までの空気が一変、しんみりとした重たい空気に浸食される。

 気分が病みそうになるとまではいかないが、ダンジョンは楽しい所ではなく怖い所でと再認識した。


「正直しばらく行きたくないかも」


 最近はダンジョン配信も好調で、登録者数も二万五千人を超えた。

 これが多いのか少ないのかは千世には如何だって良い。少なくともそれだけの人が千世たちのことを知っているということだ。


「たくさんの人が観てくれてる、喜んでくれてる。だけど私は……」


 誰かに褒められるとかよりも、安心感の方が大事。もしと友達がこんな目に遭ったらと考えるだけで恐怖が深淵から覗いてくる。


「ううっ、駄目駄目。さてと、そろそろお風呂に入ろうかな」


 千世は立ち上がった。

 ソファーから立ち上がり、テレビもバラエティに変えておく。


 さっきまでの感情を払拭しようとしていた。

 すると突然カタカタと振動が入る。


「ん?」


 千世は何かと思い気を取られる。

 テーブルの上に置いていたスマホが動いていて、画面が光っていた。如何やら電話らしいが、一体誰からだろうと、千世は首を捻る。

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