第43話 金色リンゴを見つけたぞ!
めちゃレアなリンゴを見つけた。
こんなのあったら欲しくなる。
小人にリンゴを手渡した千世達。
大事そうに自分の身の丈よりも大きなリンゴを抱える小人を眼下に、千世と師走は如何しようと考える。
「師走、これから如何しよう」
「如何しよーって言われてもねー」
正直、これ以上リンゴが見つかる気がしない。
残念なことに、千世と師走は諦め掛けていた。
だってこれだけやっても全然見つからない。ようやく見つけたリンゴも手元には入らなかった。これはもう無理かもと思ってしまう気持ちもあるはずだ。
「帰ろっか」
「うん。そうだね」
師走の提案を飲んで、千世も帰ろうとする。
すると小人が千世のパンツを引っ張る。
「ん? 如何したの」
千世は目線を低くした。
小人はリンゴを抱えていたけれど、千世に渡そうとする。だけどそれは駄目だと思い、千世は「いいよ」と首を左右に振った。
「それは貴方に上げたものだよ。だから私が貰うのはちょっと、駄目かなって」
言葉が通じ合えているのかは分からない。
けれど千世は人間と会話をするみたいに答えた。
すると小人はリンゴを抱き抱えた。
強く抱きしめて、それから何か思い出す。
「!?」
千世達を何処かに案内したいらしい。
その証拠に「こっちこっち」と言葉ではなく、ジェスチャーで合図をしてくれる。
「こっちに来てってこと?」
「もしそうなら行ってみるー?」
千世と師走は初めての光景に驚いてしまう。
一瞬迷ったけれど、多分敵意はない。
千世の頭の中に【危険予知】が発動していないからだ。
「行っても大丈夫そうだよ」
「【危険予知】が反応しないから? でもそれって条件があるでしょ」
「そうだけど、何かあったら【加速】で逃げればいいよ」
「確かにー。それじゃあ行こっかー」
千世と師走は小人の案内に乗る。
一緒に森の中を歩いていくと、道なき道を進むことになる。迷わないように目印を付けながらゆっくり進むと、一際大きな木が見えて来た。
「大きな木だねー」
「う、うん。コレも林檎の木なの……あれ?」
「如何したの?」
「いや、その、目の錯覚かなって」
千世が林檎の木を見つめた。
地上から高さ三メートル付近に金色のリンゴが生っていた。もしかして気のせい? と思って目を擦ったけど、確かに金色のリンゴがある。
もしかして夢じゃない? そう思った時、眩い光を放つ金リンゴに視線を釘付けにされた。
「綺麗なリンゴだねー」
「う、うん。もしかしてあのリンゴを取って欲しいのかな?」
小人が千世達を連れて来たのは単にあのリンゴを見せるためじゃない。
何となくそんな予感がして、早速リンゴの真下まで向かう。
葉っぱがたくさん生えていて、それ以上上は見えないけれど、確かに金色のリンゴが一つある。高さは大体三メートル程だろか?
「でも届かないよ」
千世はポツリ呟く。
せっかく見つかったけど、この高さだと届かない。
千世は身長百六十センチで師走は百七十センチ。
正直手を伸ばしても届く気がしないので、諦めようとした。その時、師走が千世の足の間に首を入れ、足腰を使って持ち上げる。
「せーのっ!」
「うわぁ!」
千世はフラついた。しかし師走はお構いなし。
千世は咄嗟に師走の頭を抑えると、ようやく安定する。
「師走、急に何するの!」
「何って、肩車だけど?」
「そ、それは分かるよ」
分からないのはあまりにも突然だったこと。
千世は師走のトリッキーな動きに翻弄されるが、とりあえず言いたいことは伝わる。
肩車をしてリンゴを収穫しようとの算段だ。
「と言うわけで私が下をするから、千世は手を伸ばしてよ」
「で、でも届かないよ?」
高さは三メートルある。
いくら肩車をしても下半身の分縮んでしまうから、結局二百五十センチくらいにしかならない。
千世は頑張って手を伸ばすけど全く届く気配がなく、途中で幹に手を付く。
「駄目。届かない」
「そっかー。それじゃあ如何しよう」
ここまでやって成果ゼロは流石に嫌になる。
師走のそんな気持ちを汲んだ千世は、ちょっと荒っぽいけどやってみることにする。
「師走、しっかり支えてね」
「ほい来たー!」
千世は剣を鞘ごと構える。
後ろの部分を使って突っついてみる。
あまりにも原始的なやり方だけど、これなら高さ問題は解決で、上手く届きそうだ。
「よーし、このままこのまま……あれ?」
「如何したのー?」
ふと千世の頭に文字が浮かぶ。【危険予知】が知らせてくれた。
だけど一体何処に危険が? そう首を捻ると、金色リンゴに鞘が当たる。
コツン!
今のはかなりのクリンヒット。
これは行けたと確信するも、頭の中に危険が伝えられた。
[上から落ちてくるよ、気を付けよう!]
何に気をつけるのか。
とは言えコレが出るのは相当の危険が迫っている。千世は木の幹に手を付いていたが、咄嗟に師走に叫ぶ。時間がない。
「師走、急いで逃げて!」
「えっ?」
師走はポカンとする。
しかし次の瞬間、金色のリンゴが枝から落ちると、その上の葉っぱが開く。
隙間が開き、中から大量の赤い球体が浮かぶ。
それは全部リンゴで、数で言えば百近くは軽くある。
「「あっ……」」
二人は声にもならない声を上げた。
叫ぶ間もなかった。それでも師走は千世の言う通り、咄嗟に体を動かす。
まさかの肩車をしたまま【加速】を使う。
すると二人の体は思いっきり後ろに吹っ飛び、気が付く頃には地面が目の前にあった。
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