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【悲報】ダンジョンで撮影したら、間違って誤配信してました〜回避特化な私が、何故かバズってしまった件  作者: 水定ゆう


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第42話 小人を見つけました

ちょっとあったかいお話です。

 千世と師走はさらに森の中を歩く。

 リンゴラゴンの後を追いかけるようにして進んだものの、リンゴが生っている木は一本も無かった。


「如何しよう。このままじゃ何にも無いよ」

「成果ゼロだねー」


 ここまでリンゴを見つけることができていない。

 例えあったとしても、木の上すぎて見つけることが困難なのだ。


「ましかして専用の道具とか無いと駄目だったのかな?」

「専用の道具とは?」

「えーっと、高枝切り鋏とか?」

「そんなもの持ってるの?」


 多分あるかもしれない。だけど何処にあるかは分からない。

 それにこんなに見つからないとは思っていなかった。

 流石に頃合いを見て帰るしか無いかなと思い立ったその時、千世と師走は開けた場所に出る。


「「うわぁ!」」


 二人して声を上げた。

 そこは本当に開けていて、中央に切り株があるだけ。

 周囲一帯だけは木が一本も生えておらず、緑の薄い芝ができていた。


 木が一本も生えていないおかげで、天空からは光が差し込む。

 太陽が真上に来た時、直射日光が降り注がれる。こんな場所は、多分ここだけのはずだ。


 千世と師走は少し休むことにした。

 千世は切り株をの上に座ると、師走は地面の上で胡座(あぐら)を描く。

 お互いが近い距離で周囲を見回して、極力警戒を解く。


「ここまで全然だね」

「そうだねー。もしかしてもっと奥の方に行かないと駄目的なー?」

「それもあるかもしれないよね。でも、これ以上先に行ったらきっとリンゴラゴンに出会うよ?」

「うーん。リンゴラゴンは何もしてこないけど、耐久力がエグすぎて倒せないんだよねー」


 実際さっきもそうだった。

 千世と師走は悩んで腕を組むと、千世がふと何かを見つける。


「ねぇ師走、アレ何かな?」

「アレって?」

「ほら、アレだよ」


 千世が指を指すと、小さな何かが歩いていた。

 モンスターのような危機感は全くなく、むしろ人型で友好的なフォルムに見えた。

 大きさも十五センチ程度で、明らかに小人だった。


「私、小人を見るの初めてだよ」

「私も私もー。でもさー、何してるのかな?」


 確かに何をしているのかな?

 目線の先を追ってみると、木の枝に赤い実が付いている。よく見てみるとリンゴのようで、少し小ぶりだけど見たかっただかラッキーだ。


「こんなところでリンゴを見つけられるなんて」

「ラッキーだねー! 早速採ろっかー」


 師走は立ち上がって採りに行こうとする。

 しかし千世はパンツを掴んでそれを止めた。


「駄目」

「えっ、なんで?」


 師走がボケなのか、素なのか絶妙に分からない反応をする。

 それを見た千世は唇を尖らせる。


 近くには小人が居て手を伸ばしている。

 先客は向こうで、自分達は後から来た。

 この意味がきっと伝わって、と千世は念じる。けれど、意図は微妙に通じないので言葉で交わした。


「師走、ちょっと下がって」

「う、うん」


 千世は手を伸ばす小人をチラ見する。

 その上に丁度影となって覆い被さる。


 当然現れた人間に小人は怯えた。

 体をピクピク震わせている。手がプルプルに震え出し、リンゴを取ろうと伸ばしていたものの引っ込めた。


 プチッ!


「はい、どうぞ」


 千世はリンゴをもぎ取ると、小人に手渡すことにした。枝が折れる音がしたけれど、幸いなことに木の幹には無傷で済んだ。

 それから渡すために、あえて目線を同じにして警戒されないようする。


 小人は当然警戒する。

 しかし千世には全く敵意はない。それを肌感で感じ取ってくれたのか、小人は恐る恐る手を伸ばす。


 コクコク!


 小人はリンゴを受け取ると「ありがとう」と言いたそうに首を縦に振る。

 もちろん言葉は無いので合っているかは不明。でも何となくそんな気がしてならない。


「良かった」

「へぇー、あげちゃうんだね。まあいいけどー」


 師走は千世が小人にリンゴを手渡すのを予め理解していた。

 だけど一応文句としては言っておく。すると千世は振り返りながら頭を掻いた。


「欲しそうにしてるから」

「ふーん。千世は優しいね」

「だ、だって! 先に見つけたのは私達じゃなくて、この小人だったんだよ?」


 千世の言い分はもっともだった。

 だけだわざわざ自分のためにならないことをする探索者は少ない。けれど千世はこうも考えていた。

 自分達はダンジョンにとっては外から勝手に入って来た存在。だからダンジョンに居るモンスターにも特には優しく接すれば、きっと何かあるはず。そんな優しい気持ちを抱いていた。


 もちろん馬鹿だとは思ってる。

 けれど師走は否定しない。


「ふーん。まあ、千世らしいかな」

「ありがとう。でも、らしいってなに?」

「らしいはらしいだよ。それ以外に無いでしょー?」


 褒められているのか貶されているのか微妙に判断がし辛い。

 だけど今一度小人を見てみると、リンゴを大事そうに抱き抱えているので、心がポッと温かくなった。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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