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第3話

 尚、完全に余談というか、横路に入る話ながら。

 米内松江にしてみれば、実母の米内久子のやらかしは、全世界規模のやらかしになった。

 それこそ(前話の)映画を発端にして、それを元ネタにした小説等が出版される事態が起きたのだ。


 この辺りは多種多様な変種というか、色々と完全な創作、フィクションという言い訳を付け加えて、小説や映画、テレビドラマの元ネタに世界各国でなっており、松江には全てを知ることができないことではあるのだが。


 完全に先走った話になるが、例えば、日本で1960年前後に小説として出版され、更には映画化、テレビドラマ化までされた大人気の某創作においては。

 米内久子は、1919年生まれの女性になり、カテリーナ・メンデスや笹井醇一こそ、史実通りの生まれになったが、米内洋六に至っては、カテリーナ・メンデスより1歳年上の1915年生まれになって。


(尚、創作ということで、仮名処理等はされているのだが、米内家の面々等、完全に分かる人からすれば、完全に元ネタにされたのが分かる小説、創作だったのだ)


(この世界の)日中戦争における「上海事件」で、新人海軍士官なのに上海海軍特別陸戦隊の一員になって日中戦争勃発に伴い、上海で地獄の市街戦を戦い抜くことになった洋六と、上海での以前からの住民だったカテリーナが。

「君の名は」

「カテリーナ」

と初対面の際に語り合ったことを発端にして。


 カテリーナは、日本への亡命を決意することになり、更には、日本で洋六と亡命したカテリーナは再会して、二人が仲良くなったことから、従前からの洋六の婚約者の久子は気を揉む事態が起きて。


 更には、洋六は海軍航空隊に転属して、航空士官として出世していくことになり。

 そして、カテリーナも第二次世界大戦勃発に伴い、表向きは英領パレスチナ部隊、実態はユダヤ人航空隊の一員に成った。


 又、洋六も日本が第二次世界大戦に本格参戦したことから、自分や周囲が徐々に欧州に派遣される事態が起きたことから。

 洋六とカテリーナの関係を邪推した久子は、欧州派遣を前にして、洋六と結婚した身ながら、洋六との関係に不安を覚える余りに、日本海軍が募集した女性から成る海軍補助部隊に志願して採用されることになり、様々な訓練を受けた上で、欧州へと赴く事態が起きる。


 そして、欧州で3人は、第二次世界大戦を生き延びて、更には第二次スペイン内戦から第三次世界大戦までも、最終的には経験した末に。

 洋六と久子は、お互いの相手への心からの愛を確信しあって、日本での生活を営むことになり。

 又、カテリーナは、洋六の後輩の笹井醇一(創作上では笹川醇一)と徐々に愛を育んで、スペインで戦後に暖かな家庭を築くという幸せな結末で終わるのだが。


 現実を知る藤子達にしてみれば、美化するにも程がある、現実の方がかなり酷かった、何しろ妻の立場を優先して、乳飲み子の松江を捨てて、欧州に赴いたのだから、と完全に評する話であった。


 ともかく、そうしたことが相まって、松江にしてみれば、実母の久子が欧州に赴いた経緯が、この当時はどうにも気になると言うか、真実を自分なりに知りたい、と考える事態に至っていた。


 この辺り、実母や周囲に訊ねるべきなのだろうが、却って、関係が深すぎて、自分にとって都合の良い話をしているのでは、とそれこそ自分が最も信頼すべき養母の藤子の話でさえ、松江は考えざるを得ないのが、当時の現実だった。


 そうした事態から、松江にしてみれば、実母の久子が赴いた欧州の現地を、自らも訪ねて、あわよくば現地で話を聞くことで、自分なりに真実を知りたい、そして、自分の気持ちを整理したい、と考える事態にまで至っていたのだ。

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