タナトスが二人!?
はい、緊急事態発生です。
目の前にタナトスが居ます。
遡ること数分前。
ようやく次の街が見えてきた私たち、S級冒険者パーティールーヴルナ。
あともうしばらくで街に着くというところで、謎の美男子に出会った。
そう…私の大好きな【タナトス】その人が、目の前に現れたのだ。
その後はしゃぐルーヴルナの他メンバー、微笑むばかりの【タナトス】、呆然と立ち尽くす私とその場はカオスに。
そして今、私はようやっと冷静になった。
「…し、失礼致しました。私は姫騎士のタナトスと申します。貴方は…」
「やあ、奇遇だね。僕も〝今は〟タナトスと名乗っているよ」
―…今は、と言ったな。
天の声さん、天の声さん。
この人ドッペルゲンガー・キングだったりしない?
『そうですね』
やっぱりそうかー。
『ついでに言うと魔王ですよ』
…なんですと?
『【怠惰】の魔王です』
………やだぁー!!?
すごいのとエンカウントしたー!?
どうしよー!??
「大丈夫だよ、タナトス。君は僕の妹のようなものだ。悪くは扱わないさ」
「…私が貴方の、妹?」
「そう。僕たちは同胞だろう?君だって気付いたはずだ。だから君は僕にとって数少ない、僅かにだが血の繋がった年下の女の子。妹も同然だ」
「そ、そうですか……それはどうも」
「それでね、タナトス」
なんだろう。
なんか嫌な予感がする………?
「僕と君で、少し手合わせしてみないかい?」
「…まじで?」
「マジだよ」
魔王に?
この場で?
挑戦しろと?
「まあまあ、大丈夫。【条件は同じ】だろう?」
タナトスのロールプレイをする私。
タナトスのロールプレイをする魔王。
条件は確かに、同じか…?
勝てる見込みは、ないけど。
「…タナトス。どうやらあちらの騎士殿に敵意はなさそうだ。受けてみたらどうだ?」
「……で、では」
「そうこなくっちゃ」
というわけで、何故かバトル開始です。




