高ランクの依頼以外も受けてみよう
今日も今日とて早寝早起き。
朝の支度を整えて、出店で適当にご飯を食べる。
そしてルーヴルナの皆さんと冒険者ギルドの前で合流した。
「今日も高ランクの依頼はないですね」
「そうだなぁ、この辺でダンジョンがあるなんて話もないし…少し早めに街を出るか?」
「えー、せっかくならもっと滞在したいわ。ここ居心地いいんだもの」
「僕も」
「俺もそうだが…」
「なら、たまにはランクの低い依頼も受けましょうか」
私がそう言うとクラウドさんは目を丸くした。
「いいのか?」
「はい、人の役に立てるならそれで」
「低ランクの依頼も人のためになるわ。良い心がけね」
「そうだな、偉いぞタナトス」
またクラウドさんに頭を撫でられる。
これ、結構好きかも。
ということで今日は人里に降りてくるようになってしまったワイルドボアの討伐の依頼をこなす。
人に突進してきて危ないので早急に討伐が必要らしい。
さくっと街を我が物顔で歩くワイルドボア達をクラウドさんが剣で一撃。
さすがSランク冒険者、今日は私の出番はなかった。
ワイルドボアはそのまま村人の食事になるらしい。
「貴重なお肉だもの、きっと干し肉になるわね」
「こっちはどちらかと言えば魚がメインだからな」
「お魚も美味しい」
「そうですね、メルセデスさん」
そして何故かクラウドさんは今日も奢ってくれるらしい。
今日はクラウドさん一人の大活躍だったのに!
でも嬉しそうにおすすめの店があるというクラウドさんに何も言えなくなり、奢られることになった。
お昼は軽くつまむ程度でいいかなとのみんなの総意で喫茶店に入る。
「いらっしゃいませ」
「コーヒーとコーヒー牛乳二つずつ。あとフルーツサンド四人分で」
「かしこまりました」
今日も今日とてクラウドさんのおすすめを注文。
もちろん奢られる側なので文句はない。
今のところクラウドさんのおすすめでハズレはないし。
むしろ大当たりばかりだ。
「お待たせしました。フルーツサンドです」
「ありがとう、いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます!」
フルーツがぎっしりと詰まっていて、ホイップクリームがそれを優しく包み込む。
パンもふわふわで、口に入れた瞬間優しい甘さとフルーツのほんの少しの酸味が広がる。
美味しい。食感もふわふわで最高。
「うわぁ…私、ここのフルーツサンドのファンになりました!」
「美味しいだろう。カスタードクリームもいいけど、俺はやっぱりホイップクリーム派だ」
「カスタードクリーム版も美味しいけどね」
「そこは個人の好み」
「ですねー」
ところで、お持ち帰りって出来るんだろうか。
「あの、もしよろしければお持ち帰りは出来ますか?」
「出来ますよ」
「なら、お持ち帰りのフルーツサンドもお願いします!一人分で!」
「かしこまりました。お持ち帰りお一人分ですね」
「ならそれも奢ろう」
「え!?」
それはさすがにと思ったが、クラウドさんはSランク冒険者だからお金持ち。
むしろ奢るのを楽しんでいる様子だし…断らない方がいいのかな?
「先輩かつリーダーを立てると思って、な?」
「…は、はい。ご馳走様です」
もしかして私、餌付けされてる?
いやいやまさか。
そしてフルーツサンドを堪能した私はお持ち帰りのフルーツサンドを片手に店を出る。
「御馳走さま。美味しかったです、ありがとうございました」
「ありがとう」
「また来るよ」
「またね」
「こちらこそ、ありがとうございました!またいつか」
その後宿に戻り三時のおやつの時間にフルーツサンドを堪能した。とても有意義な時間になった。




