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第5話 眠る君と王へ
夜が深くなった。
暖炉の火は小さくなっていた。羽琉はいつの間にか眠っていた。椅子にもたれたまま、静かな寝息を立てていた。泣き疲れたのかもしれなかった。
架だけが、起きていた。
小屋の小さな窓から、外を見ていた。吹雪はまだ続いていた。
羽琉は知らない。架がここにいる理由が、ただ「来たかったから」だけじゃないことを。
架は窓の外を見つめたまま、静かに口を開いた。
誰にも届かないと知りながら。
「王よ」
声にならないくらい、小さな声だった。
「私は最後まで、この方の護衛です」
暖炉が、ぱちりと鳴った。
羽琉の寝息は、続いていた。
架はようやく目を閉じた。
夜は、まだ明けなかった。




