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第76話 迫力の太鼓台

確かに『ずしっ』と重いパックの蓋を開ける。ふわっとソースと鰹節と青のりの香りが広がる。


「これは美味しそうですね」と一口齧る。


「うーん。これは美味い。キャベツと卵が入ってて確かにお好み焼きに似てますが、この厚みとボリュームがいいですね」とハフハフしながら言う。


「マヨネーズも良く合うんですよね」と箸でマヨネーズをたこ判の上にちょこんと乗せて頬張る美琴さん。思ったより豪快に食べている様子に思わずじっと見てしまう。


俺の視線に気づいて「・・・・・・何です?」と美琴さん。


「いやぁ、『美味しそうに食べるなぁ』って思って。ここソース付いてますよ」と俺の口元を指さす。

「まぁ」と言われてから気づいたように口元のソースをティッシュで拭く美琴さん。


2人で「ふふっ」「ははっ」と笑う。


その後は、俺がまだ食べたりなくて『フランクフルト』や『焼き鳥』を買い、美琴さんはかき氷を買った。

「やっぱり暑い時にはかき氷が美味しいですね」とかき氷を口に運びながら言う。


お腹を満たしていると、『ドドーン』と太鼓の音が鳴り響き、『太鼓台の競演』が始まった。

駅前の広場に10台ほどの太鼓台が立ち並ぶ。説明を見ると太鼓台とは高さが約5メートル重さ2トンにもなる大きな山車で、それぞれの地区から集まっているということだった。かつて塩田の過酷な作業をしていた人たちによって担がれてきた歴史があり、現在では地域の結束を象徴する存在として受け継がれているそうだ。

 

 「そーりゃ、そーりゃ」という掛け声や「そーりゃっせ」という掛け声など、それぞれ違いもあるようだった。掛け声に合わせて太鼓台を揺らしたり、大勢の担ぎ手が息を合わせて2トンもの太鼓台を一斉に頭の上まで高く差し上げると、観客からも歓声があがる。


何台もの太鼓台が一斉に高く差し上げられると「すごい・・・・」とその勢いに飲まれそうになるくらい迫力があった。


横で見ている美琴さんも「すごい」とかき氷が解けていくのに気づかないくらい見入っている。


この街にこんなに人がいたのかと思うくらい熱気に包まれた太鼓台もあっという間に時間が過ぎていった。

溶けてジュースになってしまったのをストローで飲みながら「こんなに近くで見たのは本当に久しぶりで楽しかったです」と美琴さん。


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