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第73話 じいちゃんの浴衣

翌日の朝。変わらずにじいちゃんとラジオ体操に行く。朝からしっかり体を動かして帰る途中、

「健太は今日太鼓台に行くんか?」とじいちゃん。


「そのつもり、友達と約束したし」

「そうか、友達なぁ・・・」と歩く先を見ながら会話をしながらもじいちゃんのニヤニヤが伝わってくる。

「まぁ、年に一度の祭りだ。楽しんで来い」と朝から気合を入れられてしまった。


昼間はゆっくり涼しい図書館で過ごし、ばあちゃんの素麺を食べ、昼寝をして支度をする。

(夜でも蒸し暑いしなぁ・・・)と何を着るか考えていると、

「健太、いいかぁ」と部屋の向こうからじいちゃんの声がした。


「いいよ、何?」と聞きながら扉を開ける。


「儂が着とったもんやけど、シミも無いしまだいけるやろ」と紙に包まれた物を渡された。


「何?これ?」と受け取った軽い包みを見る。


「浴衣や。儂が着とったもんやけどそんなに古くさぁないし、『男もんはそんな派手やないけん今でも着れるやろ』ってばあさんと話をしてな。よかったら来てみんか?ばあさんが着せてくれるってさ。せっかくの祭りや、友達にええとこ見せてもええやろ」とじいちゃん。


包みを開けると確かに浴衣が畳まれていた。

「いいの?じいちゃん」と聞く。

「古いもんやからお前がいいなら来てくれた方が浴衣も喜ぶ」と笑うじいちゃん。

「浴衣なんて着たことないよ」と言うと、

「ほんならなおのこと着た方がええ」とじいちゃん。


一緒にばあちゃんがいる茶の間に行く。


「どうでした、おじいさん」とばあちゃん。

「健太着たことないんやって。『せっかくの祭りや着た方がええわ』ってなってな。ばあさん頼むわ」とじいちゃん。


「あらあら、浴衣は着たことが無いの?まぁ・・・・今の人はそうなんかねぇ」とばあちゃん。

「健太の方が少し背が高いからどうかしら」といいながら浴衣を着せてくれた。


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