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第71話 どっちの顔が可愛い?

階段状になっている観覧席はプールからそれ程離れておらず、一番前にいると水がかかりそうなくらい近い。迫力満点で賢いイルカたちを見て、一つ技が決まるごとに思わず拍手をしてしまう。15分ほどのショーはあっという間だった。


最後まで拍手をして「すごかったですね」と美琴さんが立ち上がる。

「俺も初めて見ました。イルカってあんなに賢いんですね」といろんな技を披露したイルカに感心してしまった。


熱々の観覧席から涼しい館内に入り、一息つく。


「お腹すきましたね。どうします?ここで何か食べます?それとも、もう外に出ますか?」と美琴さん。

「せっかくなんで、ここで食べていきますか」と答えて、いくつかあるお店の一つに入る。


四国各県のお勧めメニューもあり、迷いながら美琴さんはイルカの形のご飯が盛られたカレーにして、俺は今治の名物だという焼豚卵飯にした。


「なんだか食べるのが可愛そうです・・・」とスプーンを持って悩んでいる美琴さんに「俺が一匙目を入れましょうか」と笑いながら声をかけると、「自分でやります」と真剣に返されてしまった。


俺のは焼き豚がご飯の上にたくさん乗って半熟の目玉焼きがトッピングされていた。まずは卵を崩さずに肉を味わう。タレと肉がいい感じで箸が進む。半熟卵を潰してトロリとからまったのもまた美味しい。


2人でパクパク食べていると、「そういえば、明日ってどうします?」と美琴さん。


「太鼓台ですよね。俺は見てみたいんですが美琴さんは大丈夫ですか、連日ですし・・・」と(一緒に行きたい!)自分の気持ちを押さえて冷静に聞く。


「今日誘ったのは私からですし、逆に私の方が健太さんを毎日誘っているみたいですみません」と少し慌てたように言う。


「俺はどうせ暇なんで予定が入るのは大歓迎です」と笑顔で返す。


「じゃあ、せっかくなんで行きましょうか」と美琴さん。

(美琴さんの気が変わる前に)「じゃあ、決まりですね」と間髪入れずに言う。


時間はまた決めましょうという事で食事を終え、もう少し時間がある美琴さんと館内を巡る。


コツメカワウソが元気いっぱい動く姿や、勢いよく泳ぎ回るアザラシなどを見て、ショップに行く。

美琴さんは目的のキャラクターのグッズを真剣に選んでいた。


「健太さん、どっちの顔が可愛いと思います?」

と両手に持ったぬいぐるみを見せられた時は、返答に困ってしまった。違いがよく分からず、

「・・・・右ですか・・ね?」と言うと、

「やっぱりそうですよね。よし、こっちにしよう」と嬉しそうにレジに向かっていた。


(よかったぁ・・・・・)とよくわからないまま一応正解だったようで安心した。


「以外に時間が経ってましたね。美琴さんは大丈夫ですか?」と時計を見て言う。

「けっこうゆっくりしましたね。私はレッスンに間に合えば大丈夫ですから」と車に向かう。


「今日はというか、今日も楽しかったです」と言う美琴さんに、

「俺も楽しかったです。水族館とか一人だったら来ないですからね」と答える。


いつもの所まで送ってもらい「時間はまた連絡します」と車を降りる。

「じゃあ、また明日」と美琴さんも手を振る。























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