第63話 おはようございます
(あれ?一人で詰めるって事は一人で降ろせるんじゃ・・・・・・?)と疑問に思いつつ誘ってもらえた嬉しさが勝って直ぐに忘れてしまった。
―――― 土曜日 ――――
前日に天気予報をしっかりチェックして晴れを確認した通り、大きな入道雲が空の端っこにあるくらいで夏らしい晴れの空だった。
(少しくらい雲があった方が日差しがさえぎられていいんだけど、それは贅沢かな・・・・)
いつものようにじいちゃんとラジオ体操をして、手早く汗を流す。
いつもはのんびりしてる俺が朝からセカセカ動いているので、「何かあるのかい?」とばあちゃん。
「ちょっと予定があって、もう少しで出るよ。今日の昼は食べてくるから」と答える。
「こんなに暑いのに出かけるのかい?」とばあちゃん。
「あぁ、『暑いから出かけられない』って言ってたら夏の間中出かけられないからね。誘ってくれた人がいるからちょっと行ってくる」と俺。
「それも、そうだねぇ。どぉれ、よいしょ」と茶の間でくつろいでいたのを立ち上がり、冷蔵庫を開ける。
「これをもってお行」と赤色のジュース?が入ったペットボトルを渡された。
「何?これ?」とラベルがないボトルを見る。
「ばあちゃん特製のシソジュースさ。汗をかいた時にぴったりだよ。薄めてあるからそのまま飲んでも大丈夫さね。お友達にもどうぞ」と笑顔のばあちゃん。
「ありがとう。ばあちゃんの梅酒もおいしかったし、後で飲んでみるよ」とお礼を言う。
「冷たい方がいいだろうねぇ」と保冷材と保冷バッグも出してくれた。
今日も暑くなりそうだし、冷たい飲み物はありがたい。弁当箱が入るくらいの小さな保冷バッグを持って玄関を出る。朝とは言えさすが真夏。耳に痛いほど蝉が鳴き、咽返るほどの湿度になっている。待ち合わせの場所はすぐそこだが、車に行きつくまでに汗だくになりそうだ。タオルで汗を拭きながら待ち合わせ場所に向かうと、『頑張って早起きする』と言っていた美琴さんの車は遅れることなくいつものように止まっていた。
「おはようございます」とドアを開けながら挨拶をする。




