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第51話 大変な山道

例のごとくラジオ体操をして汗を流し、ソワソワしながら9時になるのを待つ。

時計とにらめっこをしている俺を相変わらずニヤニヤ見ているじいちゃん。


「今日も暑いけん。出かけるなら飲みもん持って行け」とお茶のボトルを2本くれた。

「・・・・ありがとう」と受け取る。

「お前のええ人にあげ」と再びニヤニヤ。


「そんなんじゃ・・・」としどろもどろになる俺を見て、「ほれ、そろそろ時間か?」と時計を見る。


「ホントだ。じゃぁ、行ってきます。たぶんお昼は要らないってばあちゃんに言っといて」と伝言する。

「あぁ、かまん、かまん。ゆっくりしてこい」とヒラヒラ手を振って送り出してくれた。


いつものように時間前に着いている美琴さん。

「すみません。お待たせして」と慌てて車に乗る。

「いえいえ、私も今来た所です」とハンドルを握ったまま答える美琴さん。


「これ、じいちゃんが『今日も暑いからどうぞって』とお茶を渡す」

「ありがとうございます。優しいんですね。おじいちゃん」と受け取りながら優しく笑う。

ニヤニヤ顔のじいちゃんが浮かんで「え、まぁ、そうですね。優しいです」っとちょっと詰まりながら答える。

俺の返事に「?」という顔になりながらも「じゃあ行きますね。私もどんな音が鳴るか楽しみです」と先日の俺とのやり取りを覚えていた様子で話す。


『こんなに暑い日でも出かける人がいるんだ』と思うくらい、今日は車が多かった。細い山道で対向車が来てバックしたり、崖ギリギリまで避けるのはなかなかにスリリングな体験だった。田所さんの所に着いた時には2人ともぐったりだった。


「こんなに大変とは思わなかったです。毎日通ってる人はすれ違いも慣れてるんでしょうけど・・・・」と田所さんの作業場に車を停めてお茶を飲む。


坂道だし、カーブが多いし、対向車は来るし・・・・で行きつく暇もなかったのは事実だった。

俺もお茶をごくりと飲み。一息つく。


「じゃあ、いきましょうか」と2人で車を降り、作業場に向かう。今日は作業場の入口に田所さんがいた。

「おはようございます。あさからすみません」と美琴さんが挨拶をする。

俺も一緒に「おはようございます」とあいさつをする。


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