第50話 急なお誘い
「はい、これ」と手渡される。
「この間新聞の広告と一緒に入っててねぇ。私たちは暑い中出かけることも無いしと思って、片づけてたんだけど見てごらん」と祭りのパンフレットをくれた。
開いてみると、前夜祭に始まり、土曜デー、瀬戸大橋パレード、総踊り、太鼓台競演、海上花火大会と4日間の日程になっていた。
「すごい、1日だけじゃなんだね」と言うと、
「健太は太鼓台を知っとるか?坂出の太鼓台が何台も駅前に集まってのぉ、一斉にかき比べするんじゃ。そりゃあもぉ見事やぞ。夜やけど暑いし、人も多いがな」と最後は思い出したかのように団扇を引っ張り出して扇ぎ始めるじいちゃん。
「花火もねぇ。この辺だとちょっと路地から見えたりするんですよ。お隣さんの屋上で見せてもらったこともあったかしら。下の方でパラパラ上がるのは家の影で見られないけど、ドドーンと空に打ちあがる花火が綺麗でねぇ」とこっちは思い出しながらうっとりするばあちゃん。
「ありがとう。読んでみる」とパンフレットを振りながら茶の間を後にする。
(とりあえず、太鼓台だな。凄い人って言ってたから、ちょっと見て後はご飯行ってもいいしな)と計画を立ててみる。
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美琴さんからの連絡が無いまま、数日が過ぎた。
(連絡ないな・・・・。どうしよう。先に祭りに誘おうか・・・・)など悶々と考えていると、お待ちかねの『ピコーン』
(待ってました!)とスマホを開く。
「連絡遅くなってすみません。田所さんが仕事もそうなんですが、祭りでも忙しいらしく明日の午前中だったら居るそうなんです。急なんですが、どうでしょうか?何か予定が入ってたりしませんか?」と遠慮がちに聞いてくる。
「大丈夫です!時間はこの間と同じくらいでいいですかね?」と待ってましたと言わんばかりの勢いで返事を送る。
「ありがとうございます。では、この間と同じ時間で迎えに行きます。よろしくお願いします」と、ほっとしたような美琴さん。
「こちらこそよろしくお願いします。いい音が鳴るといいですね」と返事を返す。




