第49話 坂出の祭り?
『ピコーン』
じいちゃんとの日課のラジオ体操を終え、いつものように部屋でくつろいでいるとスマホが鳴った。
「美琴さんだ!」
じいちゃんとのやりとりをいろいろ考えていたのが、どこかに吹っ飛んでしまった。
「この間はありがとうございました。石屋の田所さんから連絡があって、追加の石に穴を開けてくださったそうです。取りに行きたいなと思うのですが、健太さんのご予定はいかがですか?」
「俺は全然予定が無いんでいつでも大丈夫です」と即答する。
「じゃあ、田所さんにご都合を聞いてまた連絡しますね」
美琴さんとのやり取りが終わりそうなタイミングで、思い出したことがあった。
「あの、美琴さん。もし良かったら祭り行きませんか?」
「お祭りですか?坂出の?」
「はい。じいちゃんに花火と太鼓台があるって教えてもらって。太鼓台は見たことが無くて、花火もどうですか?」と気持ちだけ焦って聞いてみる。
しばらく間があって(ダメかな・・・・)と思っていると、
「いいですよ。すごい人なのと、とても暑いですが」と返事が返ってきた。
(やったぁーーーーー!)とスマホを持って小躍りしてしまう。
地団駄を踏んだつもりはなかったが、「健太なんや、ドンドンうるさいぞ。近所に迷惑や」とこれまた近所に響き渡りそうなじいちゃんの声が飛んできた。
「ごめん、ごめん」ととりあえず、負けない声で返しておく。
よし、これこそ美琴さんとの『デート』だな。じいちゃんから祭りの情報を聞き出して、俺が美琴さんに良いところを見せるぞ。と、じいちゃんがくつろいでる茶の間に行く。
茶の間に行くと、じいちゃんとばあちゃんが珍しく2人で麦茶を飲みながらテレビを見ていた。
「じいちゃん、坂出の祭りって何時何があるか知ってる?」と話しかける。
「なんや、突然」と煎餅を咥えたまま俺の方を向いて『バリン』と齧る。
「いやぁ、ちょっと行ってみようかと思うんだけど、どこで何やるのか知らなくて・・・」と詳しいことは言わずに、もにょもにょと話す。
もじもじする俺を見て「ははぁーん。そうか・・・・・」とニヤニヤするじいちゃん。
そんなじいちゃんを見て「何ですか?」ととがめるようなばあちゃん。
「いやぁ、なんだ。お前もいい年だしな。で、誰と行くんだ?」とニヤニヤが止まらないじいちゃん。
「だれだっていいだろ。友だちだよ」とつっけんどんに答える。
「へぇ、友だちねぇ」と煎餅をバリバリ食べながらしゃべるじいちゃん。
「おじいさん。お行儀が悪いですよ。食べるか、しゃべるかどっちかになさいな」と言いながら立ち上がるばあちゃん。台所の奥から何か紙を持って来た。




