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第48話 美琴 side 父の悩み

―――――――  美琴side ―――――――

「母さん、美琴は今レッスンか?」とリビングのソファにでテレビを見ながらくつろいでいるのは美琴のお父さん。


「えぇ、『今日はあかりちゃんのレッスンが振替になった』って言って、レッスン室にいますよ。もうそろそろ終わるんじゃないかしら。何か用だったの?」と台所で片づけをしているのはお母さん。


「いやぁ、用って言うか・・・」とお父さん

「なあに、はっきりしないわねぇ」とせわしなく片付けをしながら呆れたように言うお母さん。


「お前さぁ、美琴に彼、彼氏っているか知ってるか?」と何気ない風を装っているが、しゃべりが噛んでいる。

「何?急に?」

「いつだったか、ばあちゃんと取った石に穴を開けたいって言って石屋に行っただろ」

「あぁ、あなたの同級生だった人の所ね。で?」

「この間、田所から電話があって、追加の石に穴が開いたからいつでも取りに来てくれって言うんだ」

「あら、良かったじゃない。美琴思ったより気に入ってたのね。あの石」と嬉しそうに答える。

「いやぁ、そこまではいいんだが、田所が『暑い中2人で頑張ったみたいやったぞ』って言うんだ」

「・・・・・2人・・・・・?」と片付けの手を止めて顔をあげるお母さん。

「そうなんだよ」やっと分かってくれたかと言わんばかりでソファから身を乗り出さんばかりの勢いで言うお父さん。


「田所が言うには『しゃべり方が都会の者っぽかった。男前じゃったぞ。優しそうでな』って男らしい。お前知っとったか?」

「初めて聞いたわ。へぇ、美琴にねぇ・・・・・」と片付けを再開してニヤニヤ笑うお母さん。


「お前、心配にならんのか?『どこの誰や!』って」と同意してくれなかった事に不満げなお父さん。

「なぁに、あなた、もしかして美琴に何か聞くつもり?」

「え、いや、何、お前は気にならんのかと思って・・・・」

「美琴もそろそろいい年ごろよ。彼氏がいてもいいじゃない。私は美琴が言うまで何も聞かないわよ」


夫婦でそんなことを話していると、


「はぁ、レッスン終わった。あかりちゃんいつでも元気いっぱいだから、こっちが負けそう」と言いながら冷蔵庫を開け、麦茶をコップに注いで一気飲みする。


「ぷはぁ」とおっちゃんの様に息を吐く美琴。

「なぁに、それ」と苦笑いで美琴を見るお母さん。


「う、うう、うん」とわざとらしく咳ばらいをするお父さん。お母さんの顔をチラッと見るが、お母さんは気づかぬふりで片づけをしている。


(ちっ!)と心の中で下をつきながら、「美琴―」とリビングから出ていこうとする美琴を呼び止めるお父さん。


『じーーーっ』と見てくるお母さんの視線を気にしつつ、


「田所さんから連らくがあったぞ。追加の石の穴が開いたからいつでも取りに来てくれだってさ」

「ほんと!やったぁ。さっそく明日にでも行こうかしら。あ、でも都合がどうかしら・・・」と嬉しそうに笑い、なにかブツブツとつぶやきながらリビングから出ていった。


その背中を見ながら、「はぁ・・・・」とつぶやくお父さん。


「大丈夫ですよ。良い人だったらそのうち紹介してくれるんじゃないかしら」

「え、あ、そうか・・・・。それはそれで・・・・」と口ごもって視線が定まらないお父さん。


「今から心配してて、将来どうなるんでしょうね・・・」と小声でつぶやくお母さん。


2階の部屋に戻ってスマホを取り出す美琴。


「健太さん、空いてるといいな」とつぶやきながら、連絡をする。


(美琴side終了)





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