第41話 ところてん
うどん屋を出て、(さて、この後はどうなるかな・・・)と思っていると、
「健太さん。まだ時間は大丈夫ですか?」と美琴さんに聞かれた。
昼を少し過ぎたくらいで、特に予定もない俺は「大丈夫です」と即答する。
「じゃあ、涼しいデザートでも行きませんか?」と美琴さん。
「デザートですか?まさか・・・」と訝しげに言うと、
「今日はうどんアイスじゃないですよ」と笑う。
「デザートって言っても甘くは無いんですが・・・」と様子を伺うように言う。
「甘くなくても大丈夫ですよ。せっかく誘ってくださったんですから」と答える。
「じゃあ、いきましょうか。ちょっと車で行った所にお店があるんです」とホッとしたように言う美琴さん。
大きな道から少し入った所で車が止まった。
「ここは?」と店の看板を見上げる。
「ところてんのお店よ。暑い夏にぴったりの涼しいデザートね」とお店に入っていく。
案内を見ると、江戸時代から続く老舗のお店とあった。
『やそばの水はドンドン落ちる つるべでくんで ヤッコでかやせ』というわらべ歌もあり、
この地の水は老杉でおおわれた森厳な地にわく、芳味清碧な水とされている。
どんな旱天にも枯れることなく、薬水として尊ばれてきた水を生かした『ところてん』だそうで、とても楽しみだ。
メニューは「辛子酢醤油・生姜だし醤油・ごまだれ・ぽん酢醤油・砂糖酢醤油・きなこ黒蜜・柚子蜜」など、たくさんあって迷ってしまう。しかも、抹茶アイスが乗ったあんみつまである。
「健太さん、どれにします?」と美琴さんに聞かれても迷ってしまって、直ぐに答えられない。
「美琴さんはどれにするんですか?」と参考までに聞いてみた。
「・・・うーん、どれにするか迷ってしまって、健太さんはどうするのかな?って聞いてみたんですよね」と苦笑いしながら答えが返ってきた。
「ほんとに、迷いますね。さっぱりいくか、デザートで行くか・・・・」




