第32話
「営業時間て、まだ昼過ぎですよ」
「香川のうどん屋さんは午後の早い時間に閉まっちゃうお店も多いんですよ。間に合わなかったら、その時はそのときですね」と車を出す。
来た道を少し戻って、さらに南に進んで行く。
「次のうどん屋さんは冷たくて、さっぱりしたうどんだから食べられるかな。間に合うといいんですけど・・・」と田んぼの中の道を進む。
しばらく走ってお店に到着。ここの駐車場も県外ナンバーがたくさん停まっている。
「よかった。まだいけそうですね」とお店の暖簾をくぐる。
「何名様ですか?」と店員さん。
「2人です」と美琴さんが言う。
「こちらどうぞ」と案内される。
「広い店ですね」あっちにもこっちにも席があり、たくさんのお客さんが座っている。
「こちらどうぞ」と案内された席に座ると、「ご注文が決まりましたらお呼びください」と店員さん。
メニューを見ることなく店員さんを呼び止め、「醤油うどんの小2つください」と注文する美琴さん。
注文してから「健太さん、大根おろし食べられますよね?すみません。注文する前に聞けばよかったんですが」と少し気まずそうに聞いてくる。
「大丈夫ですよ」と笑って返す。
しばらくすると、「はいこれどうぞ」と店員さんが大きな大根とおろし金を持って来た。
「え?」と机の上の物をじっと見ていると、
「これね。うどんが来るまでに自分ですりおろしておくんですよ」
「え?この量ですか?」
「ふふっ。量は自分で食べられる分だけでいいんですよ。時期によってはとっても辛い時もあるんで、ちょっと味を見てからの方がいいかもしれません」と少し大根をおろして、箸でつまんで味見をする。
「良い感じですね。暑い時にさっぱり食べられるのがありがたいです」とガリガリすりおろす。
「あ、俺やりますよ」と大根とおろし金に手を伸ばす。
「ありがとうございます。ゆっくりやると辛くないらしいですよ」とプチ情報。




