第24話 お誘い
「でしょ。暑い時はこれね。我慢できないくらい熱い時は冷やかけもおすすめですが」と美琴さんも「ずずっ」とうどんをすする。
「東京だとなかなか『これだ!』っていううどんがなかったんですよね。だから、夏休みとか春休みでこっちに帰ってきた時にいっぱい食べに行ってました。今だと週に1回決まったお店にしか行かないですが、あの時は友だちと一緒に一日で何軒も行ったりしたんですよ」と思い出しながら笑う美琴さん。
「すごいですね。確かに東京で『讃岐うどん』ってあんまりないですね。今回来てじいちゃん家は素麺が多かったので、うどんが美味しいです」と満足げに笑いながら言う。
「じゃあ今度、うどん屋さん巡りでもしますか?」と美琴さん。
「え?」っと突然のお誘いにびっくりしたように返事を返す。
俺の驚いた顔を見て「あっ、ごめんなさい。突然言われたらびっくりしますよね。すみません。香川の人って『自分の好きなうどん屋さん』っていうのが大体あって、それを県外の人に勧めて『美味しいですね』って言ってもらうのが楽しみみたいなところがあるんです。大学時代を思い出して、つい・・・」と、勢い付いて言ったものの次第にしどろもどろになる美琴さん。
「え、いや。・・・・ぜひ!」とすかさず答える。
「え?・・・。いいんですか?」と、自分で誘っておきながら確認してくる美琴さん。
「俺、夏休みなんでいつでも空いてます」とそのままの勢いで言う。
「えーっと。じゃあ子どもたちのレッスンが無い日でいいですか?」と少し引きながら言う美琴さん。
「もちろんです」
「じゃあ、確認してから連絡しますね」と少し落ち着いてきた美琴さん。
お互いに連絡先を交換する。
美琴さんに図書館まで送ってもらってそこからじいちゃん家に帰る。誰とどこで食べてきたのか聞かれることは無かったが、ニヤニヤしている俺の顔を見てくるじいちゃんに心の中で「なんだよ」と文句を言っておく。
風呂上がり、布団でゴロゴロしていると『ピローン』とスマホが鳴る。
(美琴さんだ)と画面を見る。




