第22話 お昼行きませんか?
「どうして?」と思わず聞く。
「だって、小さい時だから何も考えずに拾ってきたけど、今それをしたら怒られちゃうかもしれないでしょ。『きわめて珍しい』って書いてあるし・・・・」と美琴さん。
「・・・そっかぁ。それもそうだねぇ・・・・」と二人で考え込む。
真面目に考えている時に『グゥウウウ』と俺の腹が空気を読まずに鳴った。
静かな図書館に響く音に二人で目が合った。
恥ずかしさのあまり目をそらして下を向く俺。
「ふふふっ」と笑う美琴さん。
「そういえば、もうお昼ね。そろそろ帰ろうかしら。せっかくだからこの本だけ借りて」とカウンターに行く美琴さん。
(せっかく美琴さんに会えたのに・・・)とその背中を見送る。
カウンターから戻ってきた美琴さんに挨拶をされる前に「昼飯行きませんか?」と言う。
はらりと落ちる髪を耳にかけながら、「私はいいですけど、おじいちゃん達が待ってるんじゃないですか?」と尋ねられた。
せっかくのチャンスとばかりに「ちょっと電話してみます」と図書館を出る。
慌てて電話したので、ばあちゃんじゃなく、じいちゃんに繋がってしまった。
「何じゃ、健太。もう昼飯食べよるぞ」とモグモグしながらしゃべっているようなじいちゃん。
「ごめんじいちゃん。ちょっとご飯食べて帰る」と早口で言う俺に
「何じゃ急に」と呆れたようにじいちゃん。
「・・いやぁ、ちょっと・・・」としどろもどろになっていると、
「・・ええぞ、ええぞ。ばぁさんには儂から言うとくわ。ゆっくりして来い。ひっひっひ」と何故か笑いながら電話を切られた。
(何か、帰ったら面倒くさくなりそうだな・・・・)と思いながら、館内に戻る。




