第21話 カンカン石
「石・・・ですか?」と聞き返す。
「私が作った石琴は、小さいころ集めた石に穴を開けてもらって作った物なんです。大きさや厚みで音が違うので、いろいろ試しながら音階を作ってみたんですが、やっぱり少しずれている音があって、どうにかならないものかな・・・・と思って」とたなの本を見回す美琴さん。
「で、石の本ですか・・・・」と俺も棚を見る。
「はい。何か参考になればと・・・」と美琴さん。
2人で鉱物に関する本を手に取り読んでみるが、思うような項目が見つからなかった。
「そういえば!」と何か思い出したように健太が書棚を移動する。
突然慌てたように行ってしまった健太に戸惑いながら美琴もついて行く。
「何かありました?」と小声で聞いてくる美琴に「この間見たんですよ。郷土資料コーナーっていうのがあって。そこに何かないですかね?」と息せき切ったように言う。
「そう言えば、そんなコーナーありましたね。読んだことはなかったんですが、確かにあるかもしれません。良く知ってますね」と図書館カウンター横のコーナーに行く。ここには坂出に関する資料や坂出市で発行した行政に関する資料が置かれている。
その中で坂出市が出している情報が見つかった。
『坂出市東部にある五色台及びその付近の山頂には、古来から讃岐の名石「カンカン石」として親しまれてきたサヌカイトが産出します。たたくと『カーン、カーン』金属音を発し、心地よい余韻を残して響きます。人々はこの岩石を江戸時代のころから「馨石」(けいせき)とも呼び親しんできました。』
「見て、ここに載ってるよ」と分担して探していた美琴さんに声をかける。
「私が見たここにも載ってる。これには
『世界中でも香川県の五色台周辺や坂出市の金山や城山、大阪府と奈良にまたがる二上山地域ほか数か所でしか産出が知られていない、きわめて珍しい岩石である。音の良いサヌカイトはきわめて限られた地域(五色台の国分台付近)だけに産出する』ってあるわ」
「美琴さんの石はどこで拾ってたの?」
「小さい時だから詳し場所までは分からないけど、たぶん五色台の白峯さんの近くかなぁ」
「じゃぁ、ここに書いてある『良い音がする石』かもしれないね」
「他の石と比べたことは無いけど、そうかもしれない。・・・でも、これからどうしたらいいのかっていう解決にはならないわね」と少し残念そうに言う。




