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第19話 石琴

「毎回通るわけじゃないから、見た時には『何かいいことがありそう』って思うんですよ」とニッコリ笑いながら教えてくれた。


(確かに。いいことがありました)


「そういえば、さっき鳴ってた音って何ですか?」と山家さんに聞いてみる。

「あぁ、これ?」と木枠にぶら下げられた石?を見せてくれた。


「これはねぇ。石でできた石琴かな」と木枠を置いて吊り下がった石を手で持ちながら教えてくれた。

「石琴?」と聞きなれない言葉に聞き返してしまう。


「木でできたら木琴。鉄でできてたら鉄琴って言うでしょ。だから石琴」といたずらが見つかった子どもの様に笑う。

「あんまり見ない石ですね」と吊り下げられた石に顔を寄せながら聞いてみる。


「これは、サヌカイトって言って、この辺りの山で採れる石なんですよ」と山家さん。

「へぇ、初めて聞きました。風鈴とは違う感じの響く音ですね」と感想を言うと、


「分かりますか?私もこの石がこんなにいい音で鳴るなんて最近まで知らなかったんです。いつもは家の中に置いてるんですが、外で鳴らしたくなって車に乗せてきちゃいました。ちょっと重いんですけどね」とはにかんだように笑う。


ふと思い出して、「最近五色台で鳴らしました?夕方くらいに」と聞いてみる。


「え?最近?・・・・うーん。いつだったかは覚えてないですが、行ったかもしれません。昼間は暑いから夕方に行ってみようと思って。何で知ってるんですか?」


「じいちゃんたちと白峯さんに行こうってなって、お参りしてウロウロしてる時に、この音を聴いた気がして」


「・・・・・そんなに響かないと思いますが、聴いてくれた人がいたんですね」と肩に落ちる髪を耳にかけながら手元の石を見る。


その後、何ともない話をしてお互い公園を後にした。


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