第16話 美琴 side8 外で
棚に石を吊るしたままだと普段の使い勝手が悪かったので、お父さんに頼んで木の枠を作ってもらって石を吊るし、1階のピアノ教室の入口に飾ってみた。
「美琴先生―。これ何?」と生徒のあかりちゃんが見つけて聞いてきた。
「これはねぇ、カンカン石っていう石よ。このバチで叩くといい音がするの」
「へぇ、石?これで叩くの?」
「そっとよ。思い切りすると倒れちゃうから」と声をかける。
「やってみてもいい?」とバチを握ってそっと叩く。
『カーーーン・・・』
「すごーい。鳴った、鳴った。いい音」と言いながら順番に鳴らしていく。
「わぁ、すごい。ピアノみたい。ちょっと違うけど・・」と子どもらしい素直な反応。
(そうなのよね。途中ちょっとだけずれた音があるのよね・・・)
30分の教室の終わりにあかりちゃんはまた石を鳴らして帰って行った。
カンカン石の石琴(?)を飾り、しばらくたった頃・・・・。
いつものようにあかりちゃんが教室の終わりに叩きながら「これ、外で聴いたらどんな音?」と不意に聞いてきた。
「外で?」
「うん。ここで聴いたらちょっとずれてるけどとってもいい音。外で聴いたらどんな音なんだろう?って思って」
(そういえば、外で鳴らしたことないなぁ)
「じゃあちょっと外で叩いてみる?」
「いいの?」
「先生もやったことなくて気になるから一緒にやってくれる?」
「いいよ♪」ととびきり嬉しそうに言う。
子どもが持つには少し重い為、私が持って庭に出る。
「この辺?」とあかりちゃん。
「まぁ、やってみましょう」とお父さんの手作りの木枠を持ち、「叩いてみて」とあかりちゃんにお願いする。




