第14話 美琴 side6 石の音
「それって・・・」と棒を手にした私を見て「おもちゃの鉄琴の?」と聞く。
「そうそう、この間片付けしてて出てきたんだ。よく遊んだよね、あれ」と思い出しながら言う。
「『ピアノ買ってーーー!』て駄々をこねた時に仕方がないからって買ったのよね」とお母さんに昔の事を言われ、気まずさに「さぁ、音でるかな」と石の紐を持ち上げる。
「いくよ」と鉄琴のバチで石をそっと叩いてみる。
『カーーーーン・・・・』
(・・・・・・・・)
「「鳴った」」と二人で顔を見合わせる。
もう一度
『カーーーン・・・』
「いい音ね」とお母さん。
「うん。思ってたのとちょっと違う。こんな高い音が出るんだね」と音に聴き入ってしまう。
夕飯の後、お父さんにも音を聴いてもらうと、「石なのにな」と情緒も何もない感想に思わずお母さんと二人で笑ってしまった。
何時でも音が鳴らせるように部屋の棚に吊るしてみた。
「おばあちゃん。知ってた?カンカン石ってあんなにいい音が鳴るんだよ」とベッドに転がり窓の外の星を見ながらつぶやく。
それから数日たって田所のおじさんに連絡をして、穴があけられそうな石に全部穴を開けてもらった。いくつかは割れてしまったけど、それはそれで大事に箱に取ってある。
お母さんに紐をもう少し分けてもらって部屋の棚に吊るしていく。
「1・2・3・4・5・6・7・8・9」
(思ったよりたくさんできた)
「よし」とバチを握って鳴らしていく。




