第77話:学年末試験、セラとの協力
冬が深まり、学年末試験の季節がやってきた。
学院中が、試験勉強の雰囲気に包まれていた。
「殿下、試験勉強、進んでいますか」
セラが、声をかけてきた。
「まあまあです。セラは」
「私も、まあまあです」
「一緒に勉強しましょうか」
「はい、そうしましょう」
二人は、図書館に向かった。
* * *
図書館は、多くの生徒で賑わっていた。
みんな、試験勉強に励んでいるようだった。
「殿下、席が空いていますね」
「あそこにしましょう」
二人は、窓際の席に座った。
教科書やノートを広げて、勉強を始めた。
「殿下、この問題、分かりますか」
「どれ……ああ、これは難しいですね」
「はい。何度やっても、分かりません」
「一緒に考えてみましょう」
二人で、問題に取り組んだ。
* * *
「なるほど……こういうことですか」
「そうです。この公式を使えば、解けます」
「殿下、すごいです」
「いえ、一緒に考えたからです」
「でも、私一人では分かりませんでした」
セラが、感謝の目でルーカスを見た。
「セラも、僕が分からない問題を教えてくれるじゃないですか」
「え、そうですか」
「はい。騎士学の問題とか」
「ああ……あれは、得意ですから」
「得意なことを教え合えばいいのです」
「……そうですね」
セラが、微笑んだ。
* * *
勉強を続けていると、レオナルドとエリアスがやってきた。
「殿下、ヴェルディ殿、お邪魔していいですか」
「もちろん。一緒に勉強しましょう」
四人で、勉強を始めた。
「この問題、難しいですね」
「俺も、分からない」
「みんなで考えてみましょう」
四人で、問題に取り組んだ。
議論しながら、解答を導き出していく。
一人では分からなくても、みんなで考えれば分かる。
「なるほど、そういうことか」
「やっと分かりました」
「みんなで考えると、分かりやすいですね」
「はい」
四人は、微笑み合った。
* * *
夕方になり、図書館を出た。
「殿下、今日はありがとうございました」
「いえ、こちらこそ」
「明日も、一緒に勉強しましょう」
「はい」
レオナルドとエリアスが、寮に戻っていった。
ルーカスとセラは、二人で歩いた。
「殿下、良い友人ですね」
「そうですね。みんな、良い人たちです」
「殿下の周りには、良い人が集まりますね」
「そうですか」
「はい。殿下が、良い人だからだと思います」
「セラ……」
「私も、殿下の傍にいられて、幸せです」
セラが、ルーカスの腕を取った。
「僕も、セラがいてくれて、幸せです」
「殿下……」
二人は、微笑み合いながら歩いた。
* * *
試験当日。
ルーカスは、緊張しながら試験に臨んだ。
魔法学、歴史学、政治学、騎士学……。
様々な科目の試験が、続いた。
勉強した成果を、発揮する時だった。
「……よし」
一つ一つの問題に、丁寧に答えていった。
分からない問題もあったが、落ち着いて考えた。
セラと一緒に勉強した内容が、頭に浮かんだ。
みんなで議論した内容が、助けになった。
「終わった……」
最後の試験が終わり、ルーカスは安堵のため息をついた。
* * *
「殿下、お疲れ様でした」
セラが、声をかけてきた。
「セラも、お疲れ様でした」
「どうでしたか」
「まあまあだと思います。セラは」
「私も、まあまあです」
「一緒に勉強した甲斐がありましたね」
「はい」
二人は、微笑み合った。
「結果が出るまで、少し不安ですが……」
「大丈夫ですよ。殿下は、頑張りました」
「セラもです」
「はい」
二人は、手を繋いで寮に戻った。
* * *
数日後、試験の結果が発表された。
「殿下、結果が出ました」
セラが、掲示板の前で待っていた。
「どうでしたか」
「見てください」
ルーカスは、掲示板を見た。
自分の名前を探す。
あった。
「……上位に入っている」
「はい。殿下、10位以内です」
「本当ですか」
「はい。すごいです」
セラが、嬉しそうに言った。
「セラは」
「私は……15位です」
「それは、すごいですね」
「殿下ほどではありませんが」
「いいえ。セラも、頑張りました」
「ありがとうございます」
二人は、喜びを分かち合った。
* * *
「殿下、ヴェルディ殿、おめでとうございます」
レオナルドが、声をかけてきた。
「レオナルドも、おめでとうございます」
「私は、殿下ほどではありませんが」
「でも、上位ですよね」
「はい。20位です」
「十分すごいです」
三人は、お互いを称え合った。
「エリアス殿は」
「俺は、25位だ」
エリアスが、後ろから声をかけてきた。
「おめでとうございます」
「ありがとう。みんなで勉強したおかげだ」
「はい。協力できて、良かったです」
四人は、微笑み合った。
* * *
その夜、ルーカスは王宮に報告の手紙を書いた。
『父上、兄上方へ
学年末試験の結果を報告します。
私は、10位以内に入ることができました。
セラフィーナも、15位でした。
友人たちと協力して勉強した成果だと思います。
来年度も、頑張りたいと思います。
ルーカスより』
手紙を封じながら、ルーカスは満足感を覚えた。
試験に合格した。
それも、良い成績で。
普通の学院生として、普通に勉強して、普通に成果を出した。
それが、とても嬉しかった。
* * *
ドアをノックする音がした。
開けると、セラが立っていた。
「殿下、お祝いに来ました」
「お祝い……」
「はい。殿下の成績、素晴らしかったですから」
「セラも、素晴らしかったですよ」
「ありがとうございます」
セラが、微笑んだ。
「これ、殿下に」
セラが、小さな包みを差し出した。
「何ですか」
「お菓子です。街で買ってきました」
「ありがとう、セラ」
「一緒に、食べましょう」
「はい」
二人は、部屋でお菓子を食べた。
「おいしいです」
「良かったです」
「セラ、ありがとう」
「いいえ。殿下と一緒にいられるだけで、私は幸せです」
「僕も、セラといると幸せです」
二人は、微笑み合った。
学年末試験が終わった。
一つの区切りだった。
来年度も、一緒に頑張ろう。
そう思いながら、二人は夜を過ごした。




