第493話 容疑者ジュエリー配信
~~武器化人間 【愛なき結婚】ジュエリー~~
こうして、私事ジュエリーはイスウッドの住人として、迎え入れられた。これからは、魔法鍛冶師として、村の一員に貢献したいと思います!
「よーし、頑張りますよ! 魔法鍛冶師として、この村に受け入れられるように頑張ります!」
――それから、数日後。
「捕えたぞ、犯罪者め!」
「うっ、うえええええ?!」
なんとそれから数日後、私は憲兵さんに捕らえられたんですけれども?!
おっ、おかしいよね? 私、魔法鍛冶師として、目立たず、なおかつ迷惑をかけないように頑張ってたのであって、こんな急に犯罪者として捕らえられるなんて、あり得ないんだけれども?!
「(いや、デルタとかいう人造人形と戦っていたし、それが犯罪行為かと言われれば、そうなんだけれども……)」
しかし、デルタとかいう人造人形に付けられていた記録は、クイーンによって削除してもらったはず。クイーンにやって貰った後、私自身も確認しているので、問題はないはずだ!
「ほら、さっさと歩け!」
「あっ、あの~、何かの間違いなんじゃないでしょうか? そっ、そもそも罪状はなんですか?」
怒らせないように、気を遣って憲兵さんにそう尋ねる。そう、何かの間違い。私に似た別人が犯罪者と言う可能性も――
「罪状は、器物損壊罪。貴様には、錬金術師ススリア氏が所有している武人ゴーレム、デルタを故意に破壊した容疑がかけられている」
「なっ、なるほど~」
――って、バレてるじゃないですか!
おっ、おかしい! ゴーレムに取り付けられていた記録装置は破壊して、その後念には念を入れて、即席の魂にお願いして処分してもらうようにお願いしておいた。私自身、あの記録装置がどこにいったのか、どう処分されたのか知らないのに、どうしてバレたんでしょうか?
「(あの魂が処分をミスった?)」
『(いや、それはないはずよ。確かに私様達は、失敗してないわ)』
「(あっ、あなたは……もう1人の私!)」
どうしてこうなったのか自問自答していると、もう1人の私、クイーンがそう言ってくれる。
『(落ち着きなさい、もう1人の私様であるジュエリー。容疑はあくまでも容疑、99%怪しいと言われても残りの1%怪しくなかったら犯人じゃないという事よ。良く言うでしょう? 『疑わしくても罰せず』って)」
「(それを言うなら、『疑わしきは罰せず』なんじゃ……)」
ちなみに、『疑わしきは罰せず』という意味は、犯人かどうか分からない場合は裁いてはいけないという意味だったはず。どんなに犯人っぽいにしても、犯人かどうかきちんとした証拠がない限りは、罰する事は出来ないというそういう意味の言葉である。
『(そうとも言うわね)』
「(そうしか言わないんですけど)」
けれども、『疑わしきは罰せず』とは言えど、私は人造人形デルタを襲い掛かって来る犯罪者と間違えて倒して、なおかつデルタに武人の魂を与えて傀儡として時間稼ぎをさせた。100%私が犯人な場合、その言葉だと、犯人の証拠がある場合、罰せられるという意味なんじゃ……。
『(分かってると思うけど、あなたと私様がいまここで急に精神を入れ替えたら、めちゃくちゃ怪しまれるわ)』
「(分かってるよ……)」
魂を操作する能力、【愛なき結婚】は私の武器化能力である。それはすなわち、武器にならなければ魂を操作できないという意味でもある。
クイーンなら魂を操作するのに長けているので、武器化した姿である錫杖なしでも魂操作できます。しかしながら、私は錫杖を持っていないと魂を操作できない。だから、クイーンと交代わる事が出来ない。
『(まぁ、今の時点で交代したら、確実に怪しまれるので無理ですけれども)』
「(えっ?! いざとなったら、クイーンに後を任せたいと思っていたのに!)」
『(頑張りなさいよ、もう1人の私様。ちなみに同じ理由で、別人と思われるから助言も難しいわね)』
うっ、嘘! クイーンに頼ると言うのも、出来ないの……?
いざとなったら、クイーンに全部おまかせしようと思っていたのに、それすら出来ないとなると、私としてはかなり困ってしまうのですが……。
『(ともかく、私様達の無実を訴えるしかないわ。無実ではないにしても、なにかしらで私様達の有用性を伝えるべきね)』
「(有用性……?)」
『(デルタの記録によれば、もう1人の私様の夜光石の加工技術を知りたいという事よね? それなら、その技術を教えると言えば、案外許される方向に持っていけるかもよ?)』
確かに、デルタが私を追って来た理由は、私が快感のブラッドと契約して、なおかつ脱走した武器化人間であるから追ったという訳ではない。私が何気なく行った夜光石の加工を知りたい、ただそれだけの理由だったみたい。
それなら、それを交渉材料として、減刑を求めるのも良いかもしれない。
なにせ、私がデルタと戦う事になったのも、元を正せば勘違いのようなモノなのだから。
私はそう思いながら、ススリアにどう弁明しようか、クイーンと頭の中で話し合いながら、試行錯誤するのでした。
ちなみに、クイーンは
彼女、ジュエリーの守護霊のようなモノです
クイーンに一番近くに、一番昔からいているからこそ
ジュエリーは安心して、自分と交代で来ているのですね(*^-^*)




